本田圭佑【写真:Getty Images】
【日本 1-1 イラン 国際親善試合】
日本代表は13日、親善試合でイラン代表と対戦して1-1で引き分けた。
前半は相手の勢いに飲まれ、後半になって修正し盛り返す。この日のイラン戦は、8日に行われたシリア戦と同じような展開となった。本田圭佑は試合後、「相手のレベルも上がったのはもちろんですけど、前半で解決することはできなかった」と振り返った。
後半に日本が攻勢に出たが、相手の足が止まったからという見方もできる。その意味でも「全くシリアと同じ課題が残りましたね」と本田は唇を噛んだ。とはいえ、イランのレベルが高かったのも事実。ドロー決着も「妥当な結果」といえる。
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督体制となって半年が過ぎた。指揮官のビジョンを選手が完全に具現化するには、まだ時間が必要だろう。
だが、昨年のブラジルW杯での惨敗、アジアカップの準々決勝敗退と、国際レベルにおける日本の存在感は弱まっている。最近の日本代表は足踏み状態なのでは、という問いに本田は「日本サッカーのレベルはここ20年で急激に上がってきた。上げてくればくるほど経済と一緒で伸びにくくなる」と、自身の考えを述べた。
今までのような劇的な進化を短期間で遂げるのは難しいかもしれない。しかし、その中で「伸び率が下がりつつも、少しずつ伸びていくという中長期計画が日本のサッカー界全体に確かに求められている」と日本の背番号4は説明する。また現状についても、横ばいではあるがマイナスにはなっていないとの見解を示している。
世界と戦う上では、その世界のスタンダードに身を置くのが最適だろう。若い選手に対して本田は「もっと海外に出ていくべき」と考えている。だが、それはJリーグを軽視しているのではない。「Jリーグもすごい力をつけてきている。若い選手はどんどん出る努力をしながらJリーグもレベルを上げていく努力をしていくこと」が重要だという。
親善試合とはいえ、イランと戦えたことは収穫だ。ハリルジャパン、ひいては日本サッカーの現在地もこの試合で確認できたのではないだろうか。
【了】