ナポリ戦後に不満を爆発させた本田
「敗戦から何かを学ばないと、いつまでたっても再建というのは程遠いかなと思います」
「選手は気づいていてもこのチームは変わらない。やはりそのトップの部分で、経営陣が気付く、そして監督が気付く。そして選手たちが気付く。そしてファンたちもやはり気づいていかないと」
「今ユーベもちょっと危ないでしょ? ほんとイタリア危ないっすよ。だから、イタリアのメディアにこれ伝えておいてください。今僕が話していたことを。また、散々っぱら僕のことを叩くでしょうけど」
大放言だった。ナポリ戦後のミックスゾーンで本田圭佑は立ち止まり、「聞くことないでしょ」と言いながら6分間にわたり思いをぶちまけた。なんだかんだでチャンピオンズリーグ(CL)で2勝しているユーベのくだりなど突っ込みどころも少々あったが、フラストレーションが溜まっているのは伝わった。
日本でも大々的に報じられたと聞いたが、強い口調での批判に至った真相が気になるところ。ただ断片的にしか伝わってないかもしれないが、コメントの中で彼は不満の所在をはっきりと語っている。
まず、「なんで出れなくなったのか分からない」ということ。本人の中では、シニシャ・ミハイロビッチ監督から命じられたタスクをこなしていたという自負はあったのだろう。ただ指揮官はそれを認めつつも「攻撃面ではもう少しやってほしかった」と地元メディアに話していた。
もしかしたら本人にもそれは伝わっていたのかもしれないが、ともかく納得はいっていない。先発を外されたジェノア戦、ナポリ戦の2試合で攻撃陣が爆発するのならともかく一点も取れず、おまけに組織的バランスを崩して負けたのならば、一言いいたくもなるだろう。
さらに本田はそこから監督のみならず、クラブやメディア、そして地元のミランファンに至るまで批判の矛先を全方位に広げた。フラストレーションの本流はここだ。チームの強化が進まないことについて「お金を使うか、そうじゃなければやはりストラクチャー(構造)の部分から見直していくか」と彼は提言をしたが、後者についてはメディアやファンも含めた風土に阻まれていると彼は考えている。