ドルトムント、バイエルンに完敗
香川真司は「悔しい完敗」と振り返った。2015年10月4日のブンデスリーガ第8節、本拠地ミュンヘンにボルシア・ドルトムントが乗り込む。首位と2位の直接対決である。
香川は「最初の入りは割と良かった」と言う。9分、ミキタリヤンのラストパスがペナルティエリア内の香川に少し合わなかったように、序盤にドルトムントはチャンスを演出した。しかし、リズムの良い時のようにパスは繋がっていかない。トゥヘルは「最初の20分間でさえ、我々のプレーはアタッキングサードでは結果に結び付かなかった」と振り返る。
フンメルスによれば、BVBの戦略は「ボールを持った時のボアテングとアラバに時間を与えないこと」だったという。目的は「ロングボールを止めること」だった。香川も「ボアテングとシャビ・アロンソをフリーにさせるな」といった、似たような指示を受けている。つまりドルトムントが警戒したのは、まず「ボアテング」と「ロングボール」だったのである。
そのための中盤がダイヤモンド型の4-4-2=“トップ下香川”だった。いつもの4-3-3の時のようなリズムを失う代わりに、布陣変更で敵のストロングポイントを抑えようとする。右からボアテング、マルティネス、アラバというバイエルンの3バックに対して、香川はボランチのアロンソに付きつつ、2トップのミキタリヤンが「ボアテング」をケアした。
それでも26分。「ボアテング」から「ロングボール」で一発だった。ミュラーが抜け出して、軽やかにビュルキを交わす。0-1。香川によれば、ポジションチェンジの後のボアテングに誰が行くのかはっきりしないところがあったという。BVBの戦略に対して、バイエルンが一枚上手だった。香川は「力の差を感じた」と言葉を残した。
30分頃には、バイエルンは敵陣でボールを回し、ドルトムントがボールを取ったとしてもプレッシャーは厚い。フリーの選手が見当たらず、パスを繋ぐことができない。そして33分、カウンターからエリア内の左でミキタリヤンがチアゴを倒して、バイエルンがPKを獲得する。ミュラーが決める。0-2。