やりたいサッカーが実現しやすい“強敵”
日本代表は10月8日にオマーンのマスカットで二次予選の首位を走るシリアと対戦する。その5日後にテヘランでイランと完全アウェーの親善試合が待っており、チーム強化のために願っても無い機会ではあるが、まずは指揮官が「最も大事な試合」と認めるシリア戦に全力を注ぐ必要がある。
ここまで3戦全勝、13得点無失点と好調のシリアは3チームに対して中盤をしっかり使っていた。前節のカンボジア戦では敵地ながら70%近いボールポゼッションを記録。その中で19本のシュートを放ち、6得点を奪っている。
ただ、日本が相手ということになれば、2-1と接戦に持ち込んだ2011年のアジアカップや当時のU-23代表が中立地ヨルダンで勝利したロンドン五輪予選の様に、カウンター主体に切り替えてくる可能性が高い。
もっとも、シリアはボールを奪ったらサイドを起点に迫力ある攻撃を仕掛けてくるはずで、これまでと違い日本が常にシリア陣内でボールを持つ展開ではなく、より攻守の切り替わりが激しい試合になることが予想される。
ここまでのチーム作り関して「アフガニスタン戦やカンボジア戦から判断するのは難しい」と語るハリルホジッチ監督も、これまで以上に自分たちがやりたいサッカーを実現しやすいと考えているのではないだろうか。
攻守の切り替わりが多く発生するということは、相手の裏を突きやすくなると同時に、守備のリスクが大きくなるということも意味する。その中で3人目、4人目の走り込みを効果的に使い、しかも相手を自陣のペナルティエリア付近まで進出させないためには、正確なビルドアップと質の高いオフ・ザ・ボール、そして守備のリスク管理が問われてくる。