警戒すべきは外国人ではなく中国人選手
◎柏レイソル番記者、鈴木潤氏の分析
2012年、2013年、そして今年と、柏はACLで広州恒大と3度対戦している。率直な感想では、2年前の方が破壊力はあった。当時在籍していたムリキとダリオ・コンカが個の突破力に長けていたのに対し、リカルド・グラル、パウリーニョは確かにハイレベルの選手ではあるものの、ドリブルで相手の守備網を切り裂くタイプではなく、負傷明けのエウケソンもまだ本調子ではない。
G大阪が広州を押し込み、相手の攻め手をカウンターだけに限定させることができれば、広州の攻撃はそこまで怖くはない。警戒すべきはむしろ、その周囲を固める中国人選手だ。彼らは技術面もさることながら、身体の強さ、速さといったアスリート性に長けた面があり、セカンドボールの争いには非常に強い。
柏はそこでスピードとパワーに押し負け、セカンドボールの争いや前線でボールを収めることには相当苦しんだ。ただ、それでも柏のパスワークに翻弄される場面も多々あったため、G大阪の各選手のクオリティーを考えれば、フィジカル勝負に持ち込まれずに狙いどころを絞らせないことは可能だろう。
中国人選手のパワーをまともに受けない、そしてブラジル人選手をゴールから遠ざけさえすれば、十分に勝機は見える。逆に第1戦はアウェイだからと守備的に戦う方が、リカルド・グラルやエウケソンがゴールに近づくため危険かもしれない。
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