「アジア戦略」、まずは東南アジアから
Jリーグが昨年から本格的に推し進めている「アジア戦略」。
創設から20年の節目を迎えたJリーグが、日本サッカーに大きな成長をもたらしたそのメソッドをアジアに還元し、アジア全体の底上げを図ることで、日本サッカーをさらなる高みに押し上げようという試みだ。
Jリーグは経済面でも成長著しい東南アジアから話を進めた。昨年2月のタイを皮切りに、ミャンマー、ベトナム、シンガポール、カンボジアと、これまですでに5カ国のリーグとの提携を締結した。タイ・プレミアリーグのクラブを中心にクラブ間提携を結ぶJクラブも次々現れている。
さらに今年7月には、ベトナムの英雄レ・コン・ビンが初の東南アジア出身Jリーガーとしてコンサドーレ札幌に加入。インドネシアやタイからも現地で高い人気を誇る有望な若手がJクラブの練習に参加するケースなども出てきており、現場レベルにもその波は目に見える形で押し寄せ始めている。
始動から2シーズン目を終えようとしている今、「アジア戦略」はどのような局面にあるのか。「アジア戦略」の重要拠点の一つであるタイ・バンコクを訪れていたJリーグの中西大介競技・事業統括本部長に「アジア戦略」の現在地と未来について聞いた。
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