ミハイロビッチ新監督がもたらした変化とは
22日のウディネーゼ戦で、ミランは今シーズン3勝目を挙げた。3勝2敗で勝ち点は9と、新監督下のシーズン出だしとしてはまずまずといえるところまで落ち着いた。
ただ、内容はどうか。ここ2戦は2試合連続で3得点、しかしその分守備では2試合連続で2失点だ。シニシャ・ミハイロビッチ新監督のもと組織力が高まったといわれる一方、試合運びにはまだまだ不安定な面があるのは否めない。
新生ミランは何が機能し、何がうまくいっていないのか。ここは本田圭佑云々はさておき、チーム全体の仕上がり具合について見てみることにしたい。
まず攻撃面だが、これは開幕当初に比べ間違いなく良くなってきた。実際点は取れているし、しかもそれはプレースキックだけに頼ったものでも、誰か一人の点取り屋に依存したものでもない。組み立てが整備され、流れから相手の守備を崩せるようにはなっている。
このミランの組み立てのキャラクターをざっくりといえば、カウンターとポゼッションの併用である。基本的にはハイプレスで高い位置からボールを奪い、手数を掛けずに相手を仕留めることを目指すが、後方からパスをつないでゲームを支配し崩すこともコンセプトに織り込まれている。
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