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Jリーグ 9年前

強さはお金で“買える”か? Jクラブの人件費と強さの秘密

9/7(月)発売『フットボール批評07』では、デロイト トーマツ スポーツビジネスグループの協力を得て、Jリーグが開示しているJクラブの経営情報を統計的に分析している。人件費と強さは相関していると言えるのだろうか。一部抜粋して掲載する。(構成:藤江直人)

2013年と2014年のチーム人件費に見る統計的な意味

強さはお金で“買える”か? Jクラブの人件費と強さの秘密
Jクラブ個別情報開示資料(一部抜粋)

 Jリーグの公式ホームページでは、全クラブの経営情報が2005年度までさかのぼって開示されています。その年の売上高となる「営業収益」や、営業活動に必要な諸経費の総称となる「営業費用」などが100万円単位で公開されているなかで、ファンやサポーターの方々がまず注目するのが「営業費用」の一項目である「チーム人件費」となるでしょう。

 監督、コーチ、そして選手に支払う年俸などの総額であるチーム人件費は、もちろんクラブによって多寡があります。開示されている個々のチーム人件費を財務的に分析するのみならず、統計的な分析を加えて相対的に比較することで、どのような関係性を見出すことができるのかを考えてみました。

 まず分析したのは、営業収益とチーム人件費は関連性があるのかということです。分析で使用したサンプルは2013年と2014年のそれぞれで、2シーズン連続してJ1を戦った延べ30クラブです。たとえばガンバ大阪は2013年をJ2で戦っているので2013年にも2014年にも含まれていませんし、2013年にJ1に昇格・残留したヴァンフォーレ甲府は逆に2014年の対象となります。今回は初期的な分析に留めており、系列相関の影響などを含めた本格的な分析は行っていないことにご留意ください。

 2年連続でJ1にいないと正しい評価ができないと考えたなかで、延べ30クラブをひとくくりにして、前年度の営業収益とその翌年のチーム人件費の統計的な関係性を、統計解析のなかでも初期的な手法として知られている「単回帰分析」という方法を用いて解析しました。その結果として抽出されたのが別掲で示した数式です。

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