SBのポジションに大きな違い
今季就任したトーマス・トゥヘル監督の下、新たなスタートを切ったドルトムント。その出だしはEL3次予選、同プレーオフ、ブンデスリーガの計9試合で9連勝。苦しみ抜いた昨シーズンとは打って変わって抜群の状態を維持している。
では、7シーズン指揮を執ったユルゲン・クロップ前監督の最終年となった昨シーズンとどのように変わったのだろうか? 欧州ビッグクラブを含めた世界中のスカウトも利用している『Wyscout』が集めたデータを用いて分析する。
比較するのは、今季の開幕から4試合と昨季苦戦を強いられていた、ちょうど1年前。9月から11月にかけて香川が先発し、敗戦を喫したシュトゥットガルト戦、HSV戦、ケルン戦、バイエルン戦の4試合だ。
まず注目したいのが、各選手の平均ポジション(図1)。90分間でピッチ上のどの位置で主にプレーしていたかを示すデータだが、下から見ていくとSBのポジショニングに大きな違いが見られる。
昨季の4試合では、片方のサイドのSBが上がれば片方は下がるといった形でバランスをとりながらプレーしていたことがわかる。しかし、今季は両サイドとも高い位置を保っている。
ムヒタリヤンとロイスの両ウイングが中に絞ることがデータで示されていることからも、SBによるサイド攻撃をより重要視しているとうことだろう。
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