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Jリーグ 9年前

破竹の6連勝。「V字回復」の要因は練習にあり。石井新監督の下、鹿島が取り戻した“鹿島イズム”

鹿島アントラーズの快進撃が止まらない。石井正忠新監督の緊急登板後に始まった連勝は「6」に伸び、セカンドステージの首位を走っている。ファーストステージで8位に甘んじ、トニーニョ・セレーゾ前監督の解任に踏み切った名門軍団が鮮やかなる「V字回復」を遂げた要因を探る。

text by 藤江直人 photo by Getty Images

日々の練習で解禁となった“ある行為”

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石井正忠監督【写真:Getty Images】

 トニーニョ・セレーゾ前監督の電撃解任と石井正忠コーチの新監督就任。7月21日を境にアントラーズに生じた変化は、チーム史上2人目の日本人監督のもとで綺麗に並べられた6個の白星だけではない。

 FC東京戦以降の6試合すべてに先発している選手は、GK曽ヶ端準、DF昌子源、DF山本脩斗の3人しかいない。対照的に3試合でわずか1勝と出遅れ、体制刷新をフロントに決断させたセカンドステージの序盤戦は8人もの選手が先発として固定されていた。

 これが何を意味するのか。突き詰めていくと、日々の練習で“ある行為”が解禁されたことに行き着く。ディフェンスリーダーの昌子が振り返る。

「セレーゾ監督は球際に関してかなりシビアで、スライディングタックルをするとすぐに笛を鳴らしてプレーが止められました。石井監督になってからは、変な話ですけどOKというか、普通にスライディングタックルをしています。そうすると紅白戦が公式戦に近い雰囲気になり、実際に試合で相手に球際で負けないプレーが戻ってきたんじゃないかと思っています」

 FC東京を3対0で一蹴して、2試合合計スコア5対2で準決勝進出を決めた6日のナビスコカップ準々決勝の第2レグ。勝因はアントラーズの選手たちがほとんどを制した、球際での競り合いだった。

 試合後の公式会見で球際における強さを問われた石井監督は、こんな言葉を残している。

「練習で常に求めていることなので、日頃の積み重ねが出たと思っています」

 セレーゾ監督がスライディングタックルを禁じていた理由は、いまとなっては定かではない。石井監督も昌子も「けがを恐れていたのでは」と推察するが、特に今シーズンのファーストステージにおいては、スライディングタックルに対して過去2シーズンよりもさらに神経質になっていたという。

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