「トゥヘルの最も大きな心配事」を払拭
ボルシア・ドルトムントは「再生」した。少なくともローター・マテウス氏は、そう考えている。2015年9月9日付の『シュポルトビルト』誌に対して、90年W杯の世界王者は「トゥヘルの下でドルトムントは再び本物のバイエルン・ハンターとなりうるだろう」と述べた。
そして「カガワとムヒタリヤンはオーバメヤンとロイスとともに素晴らしい攻撃カルテットを形成する」と、マテウス氏も“ファンタスティック4”に言及する。
一方で、失点数の少なさも際立つ。ここまで3試合を終えて1失点と、バイエルンと並びブンデスリーガではトップの成績だ。まだ3試合を終えたに過ぎない。しかし10日付の『キッカー』誌によれば、「開幕に当たってトゥヘルの最も大きな心配事は彼のチームのディフェンスの安定性だった」という。
昨季は最終節を終えて42失点と、18失点で終えた王者バイエルンに比べてドルトムントは2倍以上の失点を喫している。CBのフンメルスは、ブラジルW杯の決勝でメッシ率いるアルゼンチンと死闘を演じたことで、燃え尽き症候群にかかってしまったかのようだった。
しかし14年W杯の世界王者は「再生」する。新たなシーズンで、フンメルスは輝きを取り戻した。8月30日のヘルタ・ベルリン戦では原口元気のワンチャンスをきっちり潰すなど、抜け目はない。
原口は「駆け引きが上手だというか、負けてしまいましたね」と舌を巻いた。『キッカー』誌は、第2節と第3節のベストイレブンに選出する。香川たちが得点を重ねる背景には、「トゥヘルの最も大きな心配事」を払拭した好調のCBの存在があるのだ。