プレースタイルを称賛されながらもタイトルは遠く…
全てを支配したマンチェスター・ユナイテッドの終焉は、サー・アレックス・ファーガソンがアーセン・ヴェンゲルとアーセナルに対する態度を急激に変えたことでも明らかだった。
1997年から2003年の間に証明したガナーズのプレースタイルおよびフランス人指揮官とその選手たちの能力は、2つのクラブがプレミアリーグの覇権を争うたびに取り沙汰され、両指揮官の言い争いはその時代の象徴する風物詩へと変わっていった。
イングランドにいる一部の人々はファーガソン引退の兆候ではないかと考えたが、スコットランド人指揮官がアーセナルをノースロンドンの脅威としてみなすことは長く続かなかった。
2003/04シーズンに無敗優勝を達成した“インビジブル”以降、アーセナルはリーグを制することができておらず、一方でユナイテッドはチェルシーやマンチェスター・シティら新興金満クラブの挑戦に耐えながらファーガソンが勇退した2013までに5度もタイトルを獲得した。
過去10年の間に全盛期を迎えたJリーグチームは、アジアのサッカーで“アーセナルの役目”を果たしてしまっている。日本のクラブがいつの時代もプレースタイルを称賛される一方で、ガンバ大阪や浦和レッズが成功を収めていた2008年以降はACL優勝から遠ざかってしまっている。
【次ページ】組織的になる必要すらなかった広州恒大