ドルトムントの香川真司【写真:Getty Images】
現地時間28日、ヨーロッパリーグ(EL)グループステージの組み合わせ抽選会が行われ、日本代表MF香川真司が所属するドルトムントはPAOK(ギリシャ)、クラスノダール(ロシア)、カバラ(アゼルバイジャン)と同じグループCとなった。
欧州最高峰の大会であるチャンピオンズリーグ(CL)とは違い、普段聞き馴染みのないクラブが登場するのがELのひとつの醍醐味でもある。ドルトムントと同組となった3チームも、欧州ではメジャーなクラブとは言い難い。
出場チーム数も、8グループ計32チームのCLに対してELは12グループ計48チームと多く、それだけ決勝へは長い道のりとなる。
ドルトムントに次いで最も欧州での経験があるPAOKはここ5シーズンで3度EL出場して最高順位はベスト32、CLの出場歴はない。クラスノダールは昨季クラブ史上初めてELでグループステージに進出したチームで、ガバラにいたっては欧州の大会自体が初参加という未知のチームだ。
ひとつ確かなことは、国内外の実績や知名度で大きく上回るドルトムントにとっては、この3チームはいわば『格下』であるということだ。しかし、油断はできない。彼らにとって最大の敵はEL名物ともいえる“移動距離”だ。
一番の“近所”であるPAOKの本拠地テッサロニキでも1694km。日本でいえば、札幌-鹿児島(1593km)よりも少し遠い距離にある。
ドルトムントからクラスノダールは2422kmでこれは網走-那覇間(2464km)とほぼ同じ。アゼルバイジャンのカバラにいたっては、3273kmも離れており、日本国内を例に説明することができない。仙台とフィリピンの首都マニラ間がちょうど同じ距離(3278km)で、時差も2時間ある。
また、ガバラという無名クラブはとある事件によって世界中のサッカーファンにその名が知れ渡った。ガバラに所属するアゼルバイジャン代表選手6名が、自らを批判する記事を寄稿したジャーナリストを殺害したとして逮捕されるという悲しい事件があった。
EL予選でキプロスのアポロン・リマソルに勝利したのち、1974年からキプロス北部を実効支配しているトルコの国旗を掲げて勝利を祝ったことで「無知で自己抑制力がない」と批判されていたことに腹を立て、犯行に及んだと伝えられている。
このような事件は絶対にあってはならないが、優勝を目指すドルトムントにとって移動距離は大きな敵となりそうだ。
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