柏レイソルの吉田達磨監督【写真:ダン・オロウィッツ】
明治安田生命J1リーグ2ndステージ第8節の日程変更分1試合が行われ、柏レイソルが松本山雅FCを2-0で破った。
ヴィッセル神戸戦、サンフレッチェ広島戦に続く3連勝で暫定ながら2ndステージ首位に立った柏は、いずれの試合も複数得点で絶好調を維持している。吉田達磨監督も「ピッチの中でさらによりよくしていこうという姿勢、勢い、集中力、アイディアというのが選手同士の中で生まれ始めている」と最近の戦いぶりに手ごたえを感じている。
しかし、気のゆるみは一切ない。試合後の記者会見で吉田監督は「とにかく次への勢いというのは大事にしていますけども、1つ1つということを忘れると、ちょっとした穴に落ちていくところがある。試合が続いている以上落とし穴に落ちて躓くと、転がり落ちていくのも速いと思うし、とにかく1つ1つ集中ということがこれからもずっと続いていく」と好調ゆえの危機感を指摘する。
そして、次に迎えるはAFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)準々決勝の広州恒大戦だ。アジア屈指の強さを誇るビッグクラブ相手にも、「統一感があった」松本山雅との戦いが生きていく。
吉田監督は「リードしていてもされていても、いかに自分たちが精神状態をクリアに保っていくか」が勝負のカギになると分析している。特に中国とのアウェイ戦では何が起こるかわからない。そういった緊急事態に対していかに冷静な対応ができるかが重要だ。
「ACLに勝てていない事実とプレッシャーというのはプレーオフの時からものすごく感じていた」と明かす指揮官だが、「ガンバとうちが残って、日本から2つ残った。もちろんうちが頂点まで行きたいと思っている」と強い気持ちで次のアジアとの戦いを見据えている。
「2チーム残れたということは、日本はまだ死んでいない」
吉田監督のこの言葉が表す通り、目の前の相手がどこであろうと勝機は必ず存在する。近年Jリーグ勢はアジアで結果を残せていないが、柏がその悪い流れを断ち切るべく先頭に立って日本を引っ張っていく。
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