4バックのはずのアタランタ。しかしキックオフ後には…
「今日のフォーメーション、なんかおかしくないか?」
ベルガモのアトレーティ・アッズーリ・ディタリアに着くなり、アタランタ番の地元記者たちがそう話しているのを耳にした。実際に配られたメンバー表を見て、この日のアタランタの構成には驚かされた。
メンバーの表記法はクラブによって違うが、アタランタの場合はシステムに準じた並びになる。想定は4-4-2、だが右SBに典型的なストッパーであるはずのカニーニが名を連ね、サイドハーフも枚数が足りない。
「サイドバックに故障者がいるからこうなっている」と地元記者の一人は言う。長年4バックで戦ってきたアタランタが急にシステムを変えるとは、この時点では彼らも想像していなかった。
ところがそこには、インテル封じの奇策が用意されていた。アルバレスのゴールで先制に成功した彼らは動きを封じられ、長友もばっちり対策されたのだ。
4バックと思われた布陣は、いざキックオフとなれば5バック。カニーニは中央に寄ってジェペス、ステンダルドとともに中央を固め、ライモンディとブリービオが下がってサイドにフタをする。
長友に曰く、対面のライモンディは「ほぼマンマークで僕に張り付いてきた」という。こうなってくると味方もパスが出しづらくなる。結果、これまでの試合に比べ長友は高いポジションをとれなくなった。
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