決まりかけたガラタサライ移籍
「長友がガラタサライにSi(イエス)と言った」
2日、『コリエレ・デッロ・スポルト』にはこんな記事の見出しが上がった。同紙によれば、インテルで“余剰戦力”として扱われている長友佑都がガラタサライ移籍を容認。あとはクラブ間交渉の進展しだいで移籍が成立するかの勢いで報じられていた。
ところがそこから10日余りが経ったものの、一向に進展がない。そのうちジェノバ勢が移籍を打診したという情報も出てきたが、ジェノアのエンリコ・プレツィオージ会長からは直々に撤退宣言も出された。
インテルでは戦力外扱いをされながら、放出先がすぐに決まるわけでもない。移籍確実というトーンで報じられていれば、気になって当然のところだろう。
ただ、ことはそう簡単には運ばないのである。インテルは長友を余剰戦力としてただ放出するだけでなく、売却を通して移籍金収入を得なければならないからだ。長友に限った話ではないが、このことが移籍交渉を複雑なものにしている。
ここまで、ガラタサライとの折り合いがつかなかった理由もそこにある。当初、フェリペ・メロが家族の事情を理由に移籍希望を公言したことからインテルが交渉に乗り出し、長友の保有権+300万ユーロ(約4億500万円)の金銭を提示した。
もっともガラタサライ側はそれでは飲まず、元ブラジル代表ボランチと戦力的に見合うようフレディ・グアリンかガリー・メデルとのトレードを要求。インテルとしては戦力と考えている選手と替えてまで獲りたかった存在ではなく、交渉は停滞する。業を煮やしたフェリペ・メロは、結局13日にガラタサライとの契約を延長した。
これで、メロと長友+金銭のトレードという話は消滅。ガラタサライ側からは長友を単独で獲得するためのオファーも一応出されてはいたようなのだが、インテル側が希望する条件とはかけ離れていた模様。移籍市場が閉まるまで展開は分からないとはいえ、インテル番の地元記者の間では「このまま立ち消えになりそうだ」という見方が強い。