今重要なことは「とにかく勝利を重ねること」
勝ってこそ得られるものがある。ボルシア・ドルトムントの監督トーマス・トゥヘルは「とにかく勝利を重ねること、そして明日の試合に関してはいいパフォーマンスを披露することが重要」と言葉を残した。2015年8月9日に行われたDFBポカールの1回戦、ケムニッツFC戦に向けてのことだ。
そして勝利を重要視するトゥヘルの考え方は、選手たちの間にも浸透しているようである。ケムニッツ戦では出番はなかったが、試合後に香川真司は「今は勝つことが大事」と述べている。香川は「上手くいかないシーズンっていうのは、最初が上手く乗り切れなかったりする」と言う。シーズンの序盤で軌道に乗るためにも、まず勝ちを積み重ねていくことは重要となる。
一時は最下位に落ちた昨季の前半戦のように、ズルズルと負けが込んだ時に「立て直すことは難しい」と香川は感じたようだ。そしてそれは香川だけではないだろう。過酷な残留争いを経験したドルトムントの選手たちは、多かれ少なかれそのように感じたはずである。
なぜこのメンバーで勝てないのか。対戦相手の内田篤人もそう漏らした。そういった危機感が、新しく指揮官を迎えたタイミングだからこそ、現在のドルトムントの根底に横たわっている。
ケムニッツに対して、ドルトムントは優位に試合を運んだ。敵陣内でボールを横に走らせて、引き気味の相手を揺さぶる。そしてタイミングを見て、速く攻撃を仕掛けていく。18分、ギュンドアンの長いパスにムヒタリヤンが抜け出して、右から折り返したボールをオーバメヤンがダイレクトでシュートを打つ。23分にロイスからのパスを受けたオーバメヤンのシュートはDFに弾かれたが、その1分後に、ムヒタリヤンの左からの折り返しをオーバメヤンがヘッドで流し込んだ。ドルトムントが先制する。1-0。