ただそれについても恋塚氏はこれまたサラリと言ってしまうのだ。「まず言ってみないと何も始まらないですから。これが出来たら面白いだろうな、と思ったらやってみようとする。足跡を残せば、何か突破口を開けるかもしれないじゃないですか」と。
このへんのフットワークの軽さと突き進んでしまう情熱がフロンターレのプロモーション部のスタイルなのかもしれない。
それは今回のプロモーションVTRにも反映されている。企画のネーミングが「川崎の車窓から」と決まり、その宣伝VTRを制作するとなれば、そのナレーションには当然、本家の石丸謙二郎さんの声が皆の頭に浮かぶ。
そこで躊躇せずに思い切ってオファーを出したところ、すんなりとOKが出たのだという。
「みんな、恐れ多くて言わないんですよ。石丸さんの件もそうなんですけど、言ってみないと始まらないですから」と、恋塚氏はあっけらかんと語るのである。
シーズン終盤にこれだけ大掛かりなプロモーション企画を開催するのは、クラブにとっても初めてでもある。
「どうしてもチームの成績に左右される時期ですから、11月にこれだけ大規模なものはやったことがなかったんです。
それでもお客さんがたくさん来てくれて、楽しんでもらえればと思ってますし、スタジアムには駐車場が少ないので、電車やバスを使って来て欲しい、という啓蒙活動もできればと思ってます。
今回は鉄道ということで、8月のアニメ祭りとは違う化学反応が起こって欲しいですね。あとは『フロンターレ、またやったな』と思ってもらえれば(笑)」
そういえば、8月の「闘A!まんがまつり」のイベント会場で恋塚氏と立ち話をしていたときも、「サッカーとは結びつかなくても、地域性となら噛み合うんですよね。そうやって噛み合わせていけば、(企画に)不可能はないと思っています。サッカーと鉄道だって噛み合いますから」
と何の気なしに話してくれていたが、数ヶ月たつとこういうことだったのか、と合点がいった。
なお旧検測車の展示に関しては、恋塚氏からこんな情報をいただいているので、鉄道ファンのために最後に紹介しておこう。
「これは発表してくれて構わない情報なのですが、当日は検測車の運転席に入ることが出来ます。検測車の運転席にはたぶん誰も入ったことがないと思うので、これはすごいですよ!」
筆者は鉄道ファンではないため、その価値がよくわからないのが残念だが、恋塚氏の口調から察するに、これは相当すごいことなのだろう。
11月10日(日)の等々力競技場の雰囲気が今から楽しみである。
【了】
関連リンク
難敵・鹿島を下した川崎フロンターレ。快勝の要因はまさかのマンガ!?
赤星鷹が川崎へ移籍!? 「オフサイド」「Jドリーム」を手かげた塀内夏子先生インタビュー
サポーターによる等々力“破壊式”の効果!? フロンターレがリーグ戦初勝利
中村俊輔は銀と桂馬を足したような選手!? サッカーと将棋の意外な共通点