なでしこジャパンは2戦連続勝ち切れず【写真:Getty Images】
【韓国 2-1 日本 EAFF東アジアカップ】
中国・武漢で開催中の東アジアカップに参加しているなでしこジャパンは4日、初戦で地元中国に勝利した韓国代表と対戦した。
日本にとっての初戦、3日前の北朝鮮戦は2度追いつきながら終盤に失点を重ね、2-4で悔しい敗戦を喫した。それを踏まえ、佐々木監督はフレッシュなメンバーを韓国戦に送り出している。
GKにはチーム最年少の19歳山下、DFに右から京川、田中明日菜、村松、薊、中盤の底に猶本と上辻、右サイドに柴田、左サイドに中島、そして2トップに有町となでしこリーグ得点ランキング2位の田中美南が起用された。本職がDFの選手はCBの2人のみという超攻撃的布陣で宿敵に挑む。
試合開始から両チームともになかなかチャンスを作れない中、日本はビルドアップでミスが多く、安易な縦パスをカットされてショートカウンターから韓国にチャンスを作られるなど、ピリッとしない時間帯が続く。
日本が最初にビッグチャンスを迎えたのは25分、上辻が中盤から鋭いスルーパスを送ると、2戦連続先発の有町が抜け出してシュートまで持ち込む。しかしボールはゴールの右に外れた。
その後も変わらずミスの多い日本だったが、ついに待望の先制点を手にする。30分、CKの流れからこぼれ球を中島がエリア外からミドルシュート。地を這うボールは相手DFに当たってコースが変わり、GKの手をかわしてゴールに吸い込まれた。
先制後は徐々にパスのテンポも上がり、前線からのプレスもしっかり機能させて無失点で前半を終えた。
前半に1点を失った韓国は後半開始からINAC神戸でプレーするFWチャン・スルギを投入し、早い時間帯での同点ゴールを目指す。
日本はもう1点追加すべく前へ出るが、50分にCBの村松がイ・ミナに簡単に振り切られ至近距離でシュートを許してしまう。GK山下の正面を突いたため事なきをえたが、あまりに軽いプレーでヒヤリとさせられた。
さらに55分、今度はチョ・ソヒョンが中盤でボールを奪い、ドリブルで突き進む。日本のDFは体を寄せられず下がるばかりで、完璧な体勢のままシュートを許し同点に追いつかれた。
チャンスを作れなくなった日本は63分にチームキャプテンの川村を投入して中盤を引き締める。この交代で猶本が前へ出られるようになり、川村がディフェンスラインの前でボールを落ち着かせることでチーム全体に安定感が生まれた。
その川村はボールを受けに顔を出すだけでなく積極的に前線へ飛び出しチャンスを作る。71分には自ら強烈なミドルシュートを放ち周囲を鼓舞していく。さらに菅澤が入って最前線に起点ができ、ポストプレーからゲームを作っていく。
残り10分を切ったところで崩しの切り札・横山を投入した日本は最後まであきらめずに攻め続けるが、韓国の粘り強い守りに苦しめられ追加点を奪えず。そして後半アディショナルタイム、韓国に直接FKを叩き込まれ土壇場で逆転を許した。
日本は北朝鮮戦に続き2連敗。優勝の可能性は潰えたが、次戦は2日空けて開催国・中国との一戦に臨む。
【得点者】
30分 0-1 中島依美(日本)
55分 1-1 チョ・ソヒョン(韓国)
92分 2-1 チョン・ガウル(韓国)
【了】