10月20日放送のNHK「サンデースポーツ」では元日本代表監督・イビチャ・オシム氏がインタビュー映像で登場。「サッカー界の知将 オシムが見た日本代表」と題し、11日のセルビア代表(11日)の戦いぶりから、日本代表の現状についてコメントを寄せている。
0-2で敗戦したセルビア戦について、「勝ったのはセルビアだが、より勝利に値したのは日本。この試合で日本の選手は自信をつけたはずだ。ほとんどの時間、自分たちでボールを支配し、これだけ相手を脅かしたのだから決して悪くない」と意外にもオシム氏は高評価を下している。
その評価として言及したのは、選手が連動している組織的な守備と、ボールを奪ってからの素早い攻撃だった。特にゴール前の香川真司の動き出し、ゴールを狙う意識、岡崎慎司の運動量、ゴール前でのアグレッシブな姿勢には太鼓判を押している。
「試合で3、4回の得点チャンスを作り、その全てをものにしろとは言えない。そう言ってしまうのはよくないこと。日本は機動性に溢れる攻撃的なサッカーを続けるべきだ。
スタイルを変える必要はない。日本の組織的なプレーは興味深いし、現代サッカーで強く求められるスタイルそのものだ」
攻撃の軸である本田圭佑については「中盤でボールを長く持ち過ぎるのは問題だ」と指摘。「プレーに時間がかかるとスピーディな攻撃はできない。本田はメッシではない。だが、周りの選手との連携を深めれば更に危険な存在になれる」とアドバイスしている。
さらにチーム全体で改善が求められている守備面の話題に及ぶと、「本田は非常にタフなのでボランチで起用するほうがいい」と本田のボランチ起用論を展開。
「屈強な本田がボランチになれば心強い。彼のようにガッチリして戦いに強い選手がディフェンスラインの前にストッパーとしてプレーすることが必要なんだ。
相手の足元のボールを積極的に奪いにいき、常に素早く攻撃に繋げる。そうすれば大きな変化が生まれ、さらに攻撃的なチームになれる」と自らのアイディアを提案していた。
そして本大会に向けては、スピード溢れるサッカーに磨きをかけ、自信を持って戦うことが日本代表の使命だと強調。
最後に、「かつてサッカー後進国だった日本は大きな進歩を遂げた。今日では、日本に簡単に勝てると言い切れるチームはほとんどない。日本は出場すべくして出場していることを示す立場なのだ。目標も野心もなく出場するのなら、他の国に譲るぐらいの覚悟を持つべきだ」とオシム節でエールを送っていた。
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