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Jリーグ 1週間前

「何かいける気が…」いまの京都サンガF.C.はJ1の中でも“異質”。「本気でタイトル」チームが自信を深める理由【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「実は18人でした」指揮官が明かした今シーズンの目標

「自分たちはリーグ戦で中位から下位の位置で、残留もまだまだ決まっていないし、ましてやACLとか優勝争いができる位置にはいない。それでもこういう勝ち方をして『勢いがある』とか、あるいは『乗っている』といった形容詞で片づけられるのは個人的には悔しい。J2の時代から積み重ねてきた努力で戦術的にも、メンタル的にも、フィジカル的にも、今シーズンのこの時期になってやっと形になってきた、というものがある。自分たちがいま見せているサッカーは、データ的にもJ1のなかで非常に尖ったものだと思っている。それしかないじゃないか、と言われてもマイナスにはとらえず、尖ったものをさらに磨き続けていきたい」

 指揮官が言及した「尖ったもの」とはいったい何か。そのひとつは今シーズンの公式戦で、18人もの選手がゴールを決めている軌跡となる。たとえばリーグ戦に限ればすでに14人と、昨シーズンの9人から急増している。曺監督は「今シーズンの目標が、実は18人でした」と明かしながらさらにこう続けた。

「今日のメンバーに入っていない選手を含めて、チーム全体でゴールを奪う形を共有してきたなかで、どこからでも点を取れるチームになってきた。J1のなかでもちょっと異質……異質とは言わないですけど、非常にいい傾向だと思っているので、それをさらに残りの天皇杯とリーグ戦で磨いていきたい」

 18人の筆頭として、夏場に加入した昨シーズンの後半戦だけで7ゴールをあげ、さらにチームにフィットした今シーズンは最多の8ゴールをあげている身長191cmの原大智と、今夏の加入後でリーグ戦だけで7試合で7ゴールをあげている、ブラジル出身のラファエル・エリアスの両フォワードが君臨する。

 ただ、曺監督は画竜点睛を欠く思いを抱いてきた。昨シーズンにチームトップタイの10ゴールをマーク。今シーズンも6月中旬までに4ゴールをあげながら、怪我で長期離脱を強いられてきた豊川を、指揮官は全幅の信頼を込めて「得点感覚を含めて、われわれには必要不可欠な存在」と位置づけてきた。

 豊川は6月26日の柏レイソル戦で左足首を痛め、72分に途中交代を余儀なくされていた。

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