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天皇杯の準々決勝、京都サンガF.C.対ジェフユナイテッド千葉の試合は3-0で京都が勝利した。2年ぶりのベスト4進出となった京都は、リーグ後半戦が始まった6月最終週以降で、公式戦10勝2分け1敗と絶好調を維持している。その間怪我で戦列を離脱していた豊川雄太はこの試合で3トップの中央で起用された。(取材・文:藤江直人)
2年前との比較「何かいける気が…」
事実とはまったく異なる情報が、京都サンガF.C.のFW豊川雄太の記憶に刻まれたままになっていた。
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延長戦の末にサンフレッチェ広島に敗れた2年前の天皇杯。ホームのサンガスタジアム by KYOCERAのスタンドで仲間たちを応援していた豊川は、戦いの舞台が準決勝だとは思っていなかった。
「自分は出ていなかったけど……えっ、あの試合、準決勝でしたっけ?」
FC東京、北海道コンサドーレ札幌とJ1勢への下剋上を続けてきたJ2のジェフユナイテッド千葉に3-0で快勝し、2大会ぶり4度目のベスト4進出を決めた18日の天皇杯準々決勝を終えた直後。敵地・フクダ電子アリーナの取材エリアで、2年前との違いを問われた豊川は驚きを込めて声のトーンをあげている。
「あれ、準決勝だった? マジで? 残留争いで、それどころじゃなかったというか……そうか、あれ、ベスト4にいっていたんだ。タイトルを取れる目の前にきていて、何かすごいな」
熾烈なJ1残留争いを繰り広げていた2022シーズン。胸突き八丁の終盤戦に組み込まれた広島との天皇杯準決勝で、京都を率いる曺貴裁監督はその前後に行われたリーグ戦とまったく異なる11人を先発として送り出していた。完全ターンオーバー制が敷かれたなかで、豊川はリーグ戦に臨む主力だった。
最終的にはアビスパ福岡やガンバ大阪に届かない16位に甘んじ、J1参入プレーオフ決定戦に回った同シーズン。京都はロアッソ熊本と1-1で引き分けて、規定によりJ1残留を決めている。39分に貴重な先制ゴールを叩き込んでいた豊川は、当時といま現在の京都を比較しながら言葉を紡いでいる。
「いまの京都なら、何かいける気がします」
何に対して「いける」のか。答えは千葉戦のキックオフ直前に行われたミーティングにある。ロッカールームに響きわたった指揮官の檄を、全員でごく自然に共有できたとDF宮本優太が振り返る。