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コラム 2026.10.22 09:00

アストン・ヴィラを蘇らせたエメリの手腕。開幕6試合でわずか1勝、直近は5勝1分。復活した明確な理由【プレミアリーグを読む】

アストン・ヴィラのウナイ・エメリ監督
アストン・ヴィラのウナイ・エメリ監督【写真:Getty Images】



 主力6人の退団もあり、開幕から公式戦6試合でわずか1勝と苦しんだアストン・ヴィラ。しかし、その後の6試合では5勝1分と巻き返し、攻守両面で改善を見せている。復調を支えたのは、長年にわたって欧州の舞台で実績を積み重ねてきたウナイ・エメリだ。新戦力の適応を促すマネジメントと、プレミアリーグの戦術的なトレンドを踏まえた攻撃のアップデート。その両面から、チーム再建の要因を探る。(文:安洋一郎)[1/2ページ]

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スロースタートから持ち直したアストン・ヴィラ

アストン・ヴィラMFヨハン・マンザンビ
アストン・ヴィラの復活にかかせなかったヨハン・マンザンビ【写真:Getty Images】


 アストン・ヴィラは、開幕からの公式戦6試合で1勝1分4敗。リーグ戦に限っても、開幕3試合連続で無得点に終わり、4試合目でようやく初ゴールを記録したものの、1分3敗と苦しいスタートを切った。

 これほどの不振に陥れば、多くのクラブが監督交代を検討しても不思議ではない。

 しかし、ウナイ・エメリは、その後の公式戦6試合で5勝1分と、見事にチームを立て直してみせた。

 昨季、UEFAヨーロッパリーグ(EL)を制したアストン・ヴィラは、今夏の移籍市場で主力6人を放出。GKエミリアーノ・マルティネス、CBエズリ・コンサ、SBリュカ・ディーニュ、MFユーリ・ティーレマンス、MFモーガン・ロジャーズ、FWオリー・ワトキンスと、大半がチームのセンターラインを担う主軸たちだった。

 どのクラブにとっても、主力の大量流出は戦力や連係に大きな影響を及ぼす。実際、エメリ率いるチームも開幕直後は得点力不足に苦しみ、守備面でも失点が続いた。

 それでも、開幕から1カ月余りが経過すると、チームは目覚ましい復調を遂げている。

 開幕からの公式戦6試合で5得点11失点というものだったが、直近の公式戦6試合では18得点6失点と攻守両面で大きく改善した。わずか数週間で、チームは見違えるような変化を遂げたのだ。

 では、エメリはどのようにして、主力の退団によってチームが解体したかのように見えた状況から立て直しを図ったのだろうか。

 指揮官が持つチーム再建の手腕に、その秘密を探る。

欧州の舞台で結果を残し続ける名将

ビジャレアル時代のウナイ・エメリ監督
ビジャレアル時代のウナイ・エメリ監督【写真:Getty Images】


 エメリは、バレンシアの監督に就任した2008/09シーズン以降、長年にわたって欧州の舞台で実績を積み重ねてきた。

 パリ・サンジェルマンやアーセナルでは、様々な理由で求められていた結果を出すことができなかったが、今季を含めて19シーズン連続でヨーロッパのカップ戦を戦っている。

 バレンシアでは、バルセロナとレアル・マドリードの2強に次ぐ成績を残すと、その後に監督に就任したセビージャではEL3連覇を達成。ビジャレアルでもクラブ史上初のEL優勝に導き、2021/22シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)ではベスト4に進出した。

 2022/23シーズン途中に就任したアストン・ヴィラでは当時、最下位と勝ち点3差の状況にあったチームを立て直し、最終的に7位でシーズンを終え、クラブに11シーズンぶりとなる欧州カップ戦出場権をもたらした。

 2023/24シーズンのUEFAヨーロッパカンファレンスリーグ(ECL)ではベスト4、2024/25シーズンのCLではベスト8、2025/26シーズンのELでは優勝を果たし、クラブにとって30年ぶりとなるメジャータイトルを獲得している。

 欧州カップ戦で数々のタイトルを獲得してきたエメリ。その実績を支えているのは、戦術的な引き出しだけでなく、「過密日程」を乗り越えながらチームの競争力を維持するマネジメント能力でもある。

不振からの巻き返しを可能にする「シーズンマネジメント」


 今季のアストン・ヴィラは、リーグ開幕4試合未勝利という苦しいスタートを切った。しかし、エメリがシーズン序盤の不振に直面するのは、今回が初めてではない。

 セビージャで指揮を執った最後のシーズンとなる2015/16シーズン、そして昨季のアストン・ヴィラでも、リーグ開幕5試合未勝利を経験している。それでも興味深いことに、いずれのシーズンも最終的にはEL優勝という最高の形で締めくくった。

 開幕からつまずいた要因は、今季も含めてそれぞれ異なる。

 主力の流出や新加入選手の適応不足、特定のポジションにおける負傷者の続出、移籍市場での戦力構成の変化など、その背景はさまざまだ。

 それでも、エメリは幾度となくチームを立て直してきた。今季も例外ではない。

 エメリは、チームが好調なときも不調なときも、リーグ順位について語ることに慎重な姿勢を示してきた。

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