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Jリーグ 3週間前

「そこそこ強い」じゃ面白くない。東京ヴェルディ、千田海人の揺るがぬ信念。恩師の言葉を胸に武器を尖らせ続ける理由【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「うまくいかないときに、選手が立ち返れる場所は…」

「別にそんなことはないですけど、去年はそういう気分だった、という感じですね」

 再び苦笑した千田のなかで、何歳になろうと、この先も絶対に変えない誓いがある。くすぶっていた大学3年時に、後に山梨学院高校を高校日本一に導く長谷川大監督からこんな金言を受けた。

「自分の武器をどんどん尖らせていった方がいい」

 下手くそだろうとかまわない。自身のストロングポイントと自負する強度の高い守備で、とことん勝負すると決めた千田は秋田入りを手繰り寄せ、そしてヴェルディからのオファーも勝ち取った。

「うまくいかないときに、選手が立ち返れる場所はそれぞれの武器。自分の場合は守備、特に対人とヘディングの強さとなる。これからも磨いて、磨き抜いて、誰にも負けない、という自信をもちたい」

 こう語った千田は、尖った選手だけがもつオーラを求めていく大切さにも言及した。

「キャリアを続けていくなかで、ストロングがない選手は面白くないというか、上にはいけない。満遍なく上手いとか、そこそこ強いじゃなくて、あいつは一番強いと思われるくらいになりたい」

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