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Jリーグ 3週間前

ジェフ千葉で「これだけ出られないのは…」先発抜擢の前貴之は何を体現したのか。「難しさあった」中で深めた自信【コラム】

シリーズ:コラム text by 石田達也 photo by Getty Images

「いつ入ってもいいように…」前貴之が意識している4つのこと

「試合に、これだけ出られないのは久しぶりなのでコンディションの作り方は試行錯誤で、初めてのチャレンジの感じで、どう上げていくのか難しさはありました。

 でも、自分のプレーを見失わないことを意識し、いつ入ってもいいように頭の整理と相手の嫌なことをやること、チームの流動性を生むこと、自分のストロングを出すことを考えていたので、その部分である程度は出せましたし、90分できたので、これを続けていければと思っています」

 先発起用に関して小林監督は2つの理由を挙げる。1つは相手のロングボールやセカンドボール、そしてセットプレー対策。もう1つが「トレーニングマッチをこの間やったんですが、タカ(前貴之)はその試合で本当に質の高いパフォーマンスを見せてくれました。トレーニングからサイドバックの競争は本当に熾烈です」と、戦う姿勢を評価していた。

 また連戦もある中で、同じメンバーで戦う訳ではないというメッセージをチームに送り、そこには競争原理があり、誰が出ても千葉のサッカーをピッチで表現することが絶対条件になることを示した。

 前はチームが好調の要因を「普段の練習から100%でやっていますし、みんなが準備できている。それが一番の要因」と話すと、決勝弾を決めたエドゥアルドも、これに同意するように「日々の積み重ねだと思います。ピッチの中で表現されていますが、ぱっと試合に出ても、誰かが結果を残すことができていると思います。試合に入っていないメンバーも目をぎらつかせて、隙あらば出るという意識をもってやっています」と明かした。

 ここからアウェイ連戦という難しい試合が続く。対戦相手の分析や対策も進み、『ストップ・ザ・千葉』の、より厳しい戦いが待ち受けているからこそ総力で乗り切っていきたい。

 前は今シーズンに賭ける思いを口にする。

「チームの勝利が一番だと思います。かつ自分が出て勝つことにフォーカスできれば、もっと自分の良さが色々と出せるので、一喜一憂せず、満足せずにやっていきたいです」

 まだまだこんなものではない。前の能力には余白が残っている。チームを良い方向に進ませるための「潤滑油のような役割」が好きだという背番号15の活躍に注目していきたい。

(取材・文:石田達也)

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【了】

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