DF:オラ・アイナ(ノッティンガム・フォレスト/ナイジェリア代表)
【写真:Getty Images】
多くの強力アタッカーと対峙する右SBは重要なポジションだ。
昨年11月にイングランド代表デビューを飾ったティノ・リヴラメント(ニューカッスル)や抜群の運動量で攻守に戦えるダニエル・ムニョス(クリスタル・パレス)、右WBで起用されて以来、縦への推進力を武器に攻撃面で違いを作れるようになったアーロン・ワン=ビサカ(ウェストハム)らも過小評価されている選手たちだろう。
彼らのような実力者もいる中で、ノッティンガム・フォレストの躍進を支えるオラ・アイナを選出した。加入初年度の昨季は主に左SBで出場機会を得ていたが、今季からはネコ・ウィリアムズとサイドを入れ替える形で右SBのレギュラーに定着している。
両サイドで本職のようにプレーできるアイナは、利き足こそ右だが、左足でも同じようにボールを扱える上手さがある。ファイナルサードではアタッカーのように振舞えるセンスと、ドリブルで運べる技術があり、今季のウェストハム戦ではカットインから左足でゴール左上隅に鋭いシュートを叩き込んだ。
爆発的なスピードがあり、相手アタッカーとの対人守備にも絶対的な自信がある。その上で際立つのが身体能力の高さに依存していないところで、逆サイドからのクロスに対する絞りなど、状況を把握した上での守備対応が上手い。
3月に行われたマンチェスター・シティ戦での決勝ゴールも彼のトランジションにおける意識の高さから生まれた。チームの最重要人物の1人であり、彼が負傷で試合に出場できなかったアストン・ヴィラ戦とエバートン戦で連敗を喫している。
DF:ライアン・アイ=ヌーリ(ウォルバーハンプトン/アルジェリア代表)
【写真:Getty Images】
生年月日:2001年6月6日
市場価値:3500万ユーロ(約56億円)
今季リーグ成績:31試合4得点6アシスト
プレミアリーグにはトップクラスの左SBが数多くいる。
デビュー間もないながら攻守に圧倒的なパフォーマンスを披露するマイルズ・ルイス=スケリー(アーセナル)やビッグクラブ移籍が確実視されるミロシュ・ケルケズ(ボーンマス)、今季のリーグ戦で10アシストを記録しているアントニー・ロビンソン(フラム)も現時点での市場価値は4000万ユーロ(約64億円)に達していない。
彼らが過小評価されているのを前提とした上で、今回はウォルバーハンプトンのライアン・アイ=ヌーリを紹介する。彼は今季のプレミアリーグでMVP級の活躍を披露しているモハメド・サラーをお得意様としており、対リバプールでは毎試合のように目立っている。
リバプール戦では守備が目立つアイ=ヌーリだが、攻撃にも特長がある選手だ。今季はプレミアリーグで4得点6アシストを記録しており、ロビンソンに並びDFで最多得点関与数(10)となっている。昨シーズンはチームの編成的な問題で右WGでも起用されていた。
ドリブルでのキープ力は左SBの中でも随一だろう。大外のレーンだけでなく、内側に入っての持ち運びも得意。今季の第2節チェルシー戦では、ハーフウェイライン付近でボールを奪ってから中央突破を図り、最後はアウトサイドのパスでマテウス・クーニャのゴールをお膳立てした。
ケルケズやロビンソンらが頻繫に移籍の噂がある中で、アイ=ヌーリに関するものは少ない。仮にビッグクラブが彼を引き抜くとしても、前所属のアンジェが50%のセルオンを契約に盛り込んでいることから、安価の取引になる可能性は限りなく低いだろう。