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【画像:スクリーンショット©JFA】
ジュビロ磐田GK川島永嗣がJFAのオンラインイベントに参加
日本サッカー協会(JFA)は14日、小中学生のGKを対象にしたオンラインイベントを開催した。FIFAワールドカップで過去4度、サッカー日本代表に選出され、ジュビロ磐田で今なお現役で活躍する川島永嗣が講師を務めた。日本サッカーの将来を担う子どもたちに、自身がこれまでに経験してきた中で感じた大切なことを説いた。
今回のイベントは、JFAの施策のひとつである、世界に通用するGKを養成するための「GKプロジェクト」の一環で、国際GKの日(International Goalkeeper Day)である14日に行われた。「ゴールキーパーを語ろう~川島選手の道のり~」と題されたトークテーマのもと、小中学生のGKがオンラインを通じて耳を傾けた。
JFAコーチの加藤好男氏とのトークセッションでは、今年で25シーズン目を迎える川島が現役を長く続けられる要因について、「漠然と40歳くらいまで海外でプレーできたらと思っていた。35歳までプレーするためには40歳くらいまでを目標に考えないといけないと長いスパンで考えていた。40歳までやるには体のケアだったり、食事含めてどういうことをしていかないといけないのかは考えて行動していたと思います」と自身の考えを話した。
川島は2001年に大宮アルディージャ(当時)に加入。2010年から2023年まで、ベルギーやスコットランド、フランスの3か国で5チームに所属。去年、ジュビロ磐田に加入して、14年ぶりの日本復帰を果たし、今季からはキャプテンを務める。
川島は「やっぱり国によって見られ方は全然違った」と振り返る。18歳のときに留学で訪れたイタリアは「すごく細かい指示をコーチから受けた」と言う。さらに、ベルギーでは「大事な場面で(シュートを)止められるか」が評価された。屈強な選手が揃うスコットランドではフィジカルコンタクトへの強さや強いシュートをキャッチできるかに美学があった。そして、フランスでは様々な場面で質の高さを求められた。
経験豊富な川島だからこそ思う、小中学生の頃にやっておけばよいことについては、「1番大事なのはプレーする喜びを常に持っていること。その気持ちの部分でフレッシュさが常になければやっぱり体がついてこない。人間の体は食べたものや休息でできあがっていくので若い頃は食事に気をつけて食事していた。そういうものを大切にすることで、長く良いパフォーマンスを続けることに繋がってきたと思います」と運動、休養、栄養の3つが大事だとした。
さらに、子どもたちからの質問コーナーでは、未来の日本を背負っていくGKたちにエールを送った。
「楽しむことが一番大事だと思う。特に日本はキーパーって責任が重いとか、やらされるポジションという先入観が強すぎて、子どもに言うことで純粋にもしかしたら好きかもしれないっていう芽を摘んでいるような感じがしていて、海外ではチームを助けるヒーローという感覚があるので、そういう先入観なしに日本の子どもたちにもGKをやってほしいと思います」と純粋に好きという気持ちに正直であってほしいと語った。
また、来年2026年のW杯、北中米大会の出場権を獲得した日本代表のGK陣にもアドバイスを送る場面もあった。
「1年という限られた時間の中で自分のパフォーマンスを完成に近づけることはできると思うが、そこだけじゃなくて、小さくまとまらないでほしいですし、より常に大きなものを目指して日々葛藤してもらいたいなと思う。まだまだ若いと思うので、とにかくもっともっと大きいものを見据えて、この1年間を過ごしてもらいたいなと思います」
日本のこれからを担う後輩たちへ送る川島の眼差しは終始、温かいものだった。現在、イタリア1部パルマに所属する日本代表GK鈴木彩艶の活躍のように、世界における日本のGKの立ち位置が少しずつ変化し、先入観や壁のようなものが取り払われていくのも時間の問題なのかもしれない。
(取材・文:編集部)
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