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Jリーグ 4週間前

「余裕があるわけではない」アビスパ福岡、強さの理由。藤本一輝が言う「そこは昨年の町田とは違う」もの【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

恩師と共に故郷に凱旋「明輝さんとはみんなより…」

 98年生まれの藤本は、2つ上の井手口陽介(神戸)と同じ地元のクラブ・油山カメリアで育ち、テクニックに磨きをかけた。そして藤枝明誠高校に進み、遠野らとともに切磋琢磨し、高校サッカー選手権にも出場している。

 その後、鹿屋体育大学で活躍し、2021年に大分トリニータ入り。3年を過ごして、2024年1月に町田へ赴いた。同クラブではシーズン前半は得意のドリブルで席巻。見る者に驚きを与えたが、徐々に先発とサブを行き来するようになり、不完全燃焼感を覚えたことだろう。

 そこで今季、近くで寄り添ってくれた金監督についていく形で故郷に凱旋。この日の移籍後初得点に至ったのである。

「明輝さんとはみんなより1年多くやっているので、やりたいことを理解しているとは思います。僕自身もここにきて『10ゴール・10アシスト』という目標を掲げていますけど、もっと最後の質にこだわっていかないといけない」と金監督のためにも早く結果がほしいと思っていた様子。背番号「22」の貢献度は非常に高かった。

 1-1で迎えた後半、過密日程のマリノスの運動量が低下していく中、福岡はさらに攻めを加速させる。藤本は67分に岩崎悠人と交代し、ベンチから戦況を見守ることになったが、味方が逆転弾を取ってくれると信じていたはず。その時が81分、ついに訪れた。 
 

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