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「夢は崩れ去った」中国代表、W杯出場に黄信号!?政治主導でも苦戦する理由。英メディアが分析「問題の根底には…」

text by 編集部 photo by Getty Images

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オーストラリア戦で敗れた中国代表
【写真:Getty Images】

サッカー大国を目指す中国。成功している国々との違いとは?

 中国代表は25日、FIFAワールドカップ26アジア最終予選(3次予選)でオーストラリア代表と対戦し、0-2の敗戦を喫した。この結果、中国が自動出場権を獲得できる2位以内に入る可能性が消滅。まだ4次予選に進むチャンスは残されているが、それも厳しい状況であると英メディア『BBC』が27日に報じた。

 

 中国は初戦から日本戦で0-7の大敗を喫し、そこから3連敗でスタート。続くインドネシア戦とバーレーン戦で2連勝を飾ったものの、2度目の日本戦から再び連敗した。8試合を終えた時点で、4位インドネシアとの勝ち点差は3に広がっており、勝ち点6で最下位の中国にとっては苦しい展開となっている。ただし、残る2試合は前回勝利したインドネシアとバーレーンが相手となるため、ここから巻き返しを図るかもしれない。

 とはいえ、同メディアはタイトルに「サッカー大国になるという中国の夢は崩れ去った」とつけ、「習近平国家主席が2012年に権力を握った時、彼のスポーツへの情熱は中国サッカーの改革と向上への原動力となった。彼はかつて、中国がW杯に出場し、中国でW杯を開催し、そして最終的には優勝することが夢だと語っており、これが彼の3つの願いだった。しかし、約10年後の今、習近平自身もその信念を失ったかのように見える」と報じ、中国をサッカー大国にするという試みが失敗に向かっているとの見解を示した。

 むしろ、国家主導であることが弊害になっているとして「問題の根底には中国の一党制があり、上からの決定が押し付けられていることにある。これは経済成長においては効果的かもしれないが、競技性の高いチームスポーツでは悪影響を及ぼす。国際サッカー連盟(FIFA)は国家の干渉を禁じているが、中国のサッカー界には政治的な任命が蔓延している。これは、党が公共生活の多くの側面を支配している中国では、よくある現象だ」と伝えている。

 中国在住のマーク・ドレイアー記者は「すべては共産党の上層部へ報告される仕組みになっている。つまり、サッカーに詳しくない者たちがサッカーの意思決定をしているということだ。サッカーは草の根から育っていくべきもので、ピラミッドの最下層から才能が徐々に集まって頂点に上り詰めていくのだ」と語った。

 また、中国サッカー本に関する著者のローワン・シモンズ氏は「サッカーが本当に成功している国々を見ると、過去100年間、草の根レベルの活動として自然に発展してきたことがわかる。中国のプロサッカーは、何も支えがないためにうまくいかず、彼らのピラミッドは逆さまになっている」と述べた。

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