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今季のJリーグが開幕してまだ間もない3月頭、ガンバ大阪はデニス・ヒュメットの獲得を発表した。このスウェーデン人FWは一体何者なのか。スウェーデン在住歴もあり、現地のサッカーにも精通する筆者が現地の近しい人物に取材し、これまでのキャリアや人柄、プレースタイルに迫った。(取材・文:鈴木肇)
著者プロフィール
1978年生まれ。東京都足立区在住。1994年米国W杯で3位入賞したスウェーデン代表に興味を持ち、2002年日韓W杯ではデンマーク代表の虜にもなり、スカンジナビアのサッカーに目覚める。Jリーグでは柏レイソルと松本山雅がお気に入り。
「新しいズラタン」の生い立ち
今月8日、10年ぶりのタイトル獲得を目指すガンバ大阪に新外国籍選手が加入した。FWデニス・ヒュメットだ。昨シーズンにスウェーデン1部のユールゴーデンでリーグ得点ランク3位タイの14得点をマークしたアタッカーは、日本に来るまでにどのようなキャリアを歩んできたのか。
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1998年、トルコ出身の両親のもと、スウェーデン南部の都市マルメで誕生したヒュメット。6歳で名門マルメFFの少年チームに加入すると、徐々にその才能を開花させていく。2014年シーズンにはU-19のチームで45試合41得点という数字を残す。とりわけ同シーズンのUEFAユースリーグで際立ったプレーを見せ、一部の識者からは同じマルメ出身の英雄ズラタン・イブラヒモヴィッチと比較されるなど周囲の評価を高めていった。
余談だが、スウェーデンでは移民のルーツを持つ将来有望な長身ストライカーに対しては「新しいズラタン」といったニックネームが付けられることが多い。
自信を深めたヒュメットはトップチームへの昇格を強く希望するも、当時のマルメはUEFAチャンピオンズリーグ出場を果たすなど戦力は充実しており、競争は激しかった。ゆえに、クラブの首脳陣からは2015シーズンもU-19のチームに残るよう言い渡される。だが、トップチームでプレーすることにこだわったヒュメットはこれを辞退し、クラブを離れることを決意する。
同時期、スイスのバーゼル、ユースリーグで対戦したユベントスなど国外クラブが関心を示すなか、唯一トップチーム契約を提示してきたのが当時フランスリーグ2部に所属していたトロワだった。
2015年1月、ヒュメットは生まれ育ったマルメを離れてフランスに渡る。18歳の時だった。