「連携も取りやすい」地味な入れ替えが功を奏す
そして、開幕当初に問題の大きかったビルドアップだが、第4節の柏戦で後半から出場のサミュエル・グスタフソンがあらためて傑出したプレーを見せ、彼が後方でプレーメーカーとして振る舞いつつ、安居の運動量や機動力を生かす形になってからはチームとしての落ち着きが出てきた。
地味なところだが、この2人が組む際に多かったパターンと左右を入れ替えたことも「ポジションを変えて役割もちょっと変え、自分が前に行きやすくなって、そこでの力の使い方も攻撃がプラスになってきた。右に変わった後、連携も取りやすい」と安居が話すなど、全体的なバランスと落としどころを見つけるのに一役買っている感がある。
グスタフソンが最終ラインにハッキリ降りてボールを引き出すこともあるが、基本的には相手の1列目の背後で中央にポジションを取り、両センターバックが開いてボールを持つことで相手のプレスの距離を広げて後方での安定感は増した。また、サイドバックが早い段階で敵陣に進出するよりも、比較的に低い位置で前進に関わった後で出ていくようになったのも調整された部分だろう。これにより相手を引き出しながら、それによって生まれる前線のスペースへ松本や安居が飛び出していく形を増やしている。