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コラム 4日前

「いまではよくわかる」サッカー日本代表、伊藤洋輝がバイエルンで見た景色と気づき。「彼らを見ていると…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by 田中伸弥

「本当に重要」。バイエルンに来てまじまじと感じる“ある能力”

「世界的に見てももっとも大きな大会だと思うし、誰もが目指している舞台なので、一人の選手としてあの舞台にもう一度立ちたいという思いは、前回悔しい思いをした身としてずっと抱いていた。長友(佑都)さんがああやって何度も何度も目指す気持ちが、いまでは本当によくわかるようになりました」

 昨夏のプレシーズンマッチを含めて、実はバイエルンで一度も90分間プレーしていない。先制点の起点になったバーレーン戦の自己採点も「最後は集中力が途切れてパスミスもあったなかで、何とか乗り越えられた」と厳しい。それでもピッチに立ったときには、森保ジャパンに還元したいものがあった。

 それはバイエルンにおける日々の練習で、チームの主力であるイングランド代表ハリー・ケイン、ドイツ代表ジャマル・ムシアラらに何度も見せつけられてきた「個の力」だった。

「ケインやムシアラは、練習からどんどん点を決める。彼らを見ていると、苦しいゲームでもたった一人で局面を変えられる、個の力に長けた選手というのは本当に重要になってくるとあらためて思いました」

 こう語る伊藤も、個の力があがっていると実感している。現役時代はマンチェスター・シティやベルギー代表でCBとして一時代を築き、今シーズンからはバイエルンを率いるヴァンサン・コンパニ監督のもとでのプレーを、伊藤は「個のプレーを含めて、本当にいろいろと学べている」と充実感を込めて振り返る。

「コンパニ監督の現役時代のプレーを見ればわかるように、アグレッシブに戦う部分を重要視する。実際に『ディフェンダーは痛がるな』とずっと言われている。体の向きやラインコントロール、クロスへの対応といった基本的なプレーに加えて、僕が怪我で離脱していた時期も常にポジティブな言葉をかけてくれるなど、メンタル的にもケアしてくれる監督のもとで、僕自身、本当に焦らずに戻ってこられたと思っている」

 伊藤にボールを預けた遠藤は、上田に出した縦パスを「彼のよさが最大限発揮された」と振り返る。

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