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コラム 4日前

「いまではよくわかる」サッカー日本代表、伊藤洋輝がバイエルンで見た景色と気づき。「彼らを見ていると…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by 田中伸弥

まるでジェットコースターのようだった282日間

「綺世の左足にうまくパスをつけられた直後に、本当に綺麗なターンをしてくれた。そこから流れるように攻撃してくれた結果として起点に…たまたま起点になれたという感じですね」

 冨安健洋に谷口彰悟、そして町田浩樹と怪我人が相次ぐ最終ラインで、昨年6月11日のシリア代表とのワールドカップ(W杯)・アジア2次予選最終節以来、282日ぶりに日の丸を背負ってプレーした。

 勝てば自力で8大会連続8度目のW杯出場を決められる状況で迎えた、20日のバーレーンとのアジア最終予選第7節。森保一監督からシリア戦と同じ3バックの左センターバック(CB)を任された伊藤は、代表での軌跡に空白が生じていた間に、ジェットコースターのような日々を送ってきた。

 シリア戦の直後に、ドイツ・ブンデスリーガを代表する名門バイエルン・ミュンヘンへの完全移籍が発表された。ジュビロ磐田からシュトゥットガルトに移籍して3年。日本サッカー界を驚かせるステップアップを果たした伊藤を待っていたのは、7月末のプレシーズンマッチで負った右足中足骨の骨折だった。

 昨年末に復帰する青写真は、11月に再手術を受けた影響で2月までずれ込んだ。沈みがちになりそうな気持ちを、過去は変えられない、と努めて前を向きながら振り払った。ブンデスリーガで5試合、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)で2試合に出場した先に、待ち焦がれた日本代表への復帰も果たした。

 シュトゥットガルトへの期限付き移籍を完全移籍に切り替えた2022年5月に、すでにカタールW杯出場を決めていた日本代表に初めて招集され、本大会を戦った最終メンバーにも名を連ねた。バーレーン戦が初めてのアジア最終予選だった伊藤は、本大会の出場権獲得をこんな言葉で振り返っている。

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