所属クラブでは出場減も、「リバプールにいることが全て」
そこまでは守りで存在感を示していたキャプテンだったが、追加点を狙うべく前への意識を強めていく。象徴的だったのが、72分のシーン。
鎌田から自陣でボールを受けると、力強いドリブルで突進。相手ボランチのジヤのマークをかいくぐり、右の伊東へのスルーパスを狙った。これは惜しくも裏を取れず遅攻になり、追加点にはつながらなかったものの、背番号6の強度と走力、アグレッシブさは圧巻。終盤になっても落ちることはなかった。
所属クラブでの遠藤は、アルネ・スロット監督体制の今季は「クローザー」の役割に終始。出場時間が激減している。昨季のリーグ戦は1722分のプレータイムだったが、今季はここまで135分のみ。その分、国内カップ戦の出場時間は増えているものの、厳しい立場にいるのは事実だ。
それでも代表に来ると、試合勘の不足や走力やパフォーマンスの低下は一切見せることがない。そこが彼の凄さなのである。
「やはり、リバプールにいることが全て。普段のインテンシティの高さだとか、そのレベルの差がこういう試合の自分のパフォーマンスに直結していると思っているので。もちろん、試合に出られなかったら出られないで、プラスでトレーニングをしたりもしていますけど、リバプールでやっているからこそ、成長を感じられる部分も多いですね」
遠藤は改めて語っていたが、モハメド・サラーやフィルジル・ファン・ダイクら最高峰プレーヤーとの日々の練習の積み重ねは嘘をつかないということなのだろう。