後半から見えた攻め方の変化
前半の日本の攻撃は、相手のフラットラインの裏へロングパスを落とすことに終始している。
下手に引っかけられてカウンターを食らうリスクの回避とともに、フラットラインの弱点をシンプルに突く。理にかなったアプローチではあるが難度も高く、三笘、堂安、南野が抜け出しかかっても相手DFに防がれていた。
後半から守田英正に代えて田中碧を投入。前半に比べるとエンジンが温まってきたように見えたが、攻め方の変化もあった。
前半はDFから直接裏を狙うロングパスだったが、後半は中央のボランチを経由してサイドを変える形でウイングバック(WB)へボールを供給するようになった。
三笘、堂安をより相手ゴール方向へ押し出す形で、なおかつ足下にボールを供給できる。WBの力量を考えればチャンスを作れそうな流れになっていた。
ただ、前半から狙っていた裏へのロングパスはタイミングが良くても精度が伴わず、中央経由のサイドへの展開もパスが合わなかったり、突破のところで阻まれていた。
その意味では66分の先制点は唐突だった。
後方のキープで相手を引き出し、伊藤洋輝がぐいっと持ち出して相手2人を置き去りに。すぐに中央へクサビを入れ、受けた上田綺世がきれいなターンで背後のマークを外すと、裏へ走った久保へ縦パスをつける。
久保の左側にいた鎌田大地が久保の背後を回って抜け出すと、そこへ久保からのパスがピタリ。鎌田はGKを引きつけてボールを上から叩いて浮かし、ゴール左へ決めた。
見事なプレーの連続での、それまでほとんどなかった中央突破である。突然こういうプレーが飛び出す底力は、バーレーンとすれば堪ったものではないだろう。