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コラム 4週間前

不敵な笑み…秘策がある?バーレーン代表監督「勝つチャンスはある」。サッカー日本代表にとって危険な3つの理由【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

ラマダンの影響と聖なる力が働いた過去

「イスラム教徒はラマダン期間中に試合をすることに慣れている。初めての経験ではないですし、いろいろな状況で行われるものなので、その中でもすべてを尽くして勝つ準備をしています」

 ここまでの最終予選で全試合に出場しているアリ・ジャファル・マダンはこう話す。さらに、日本の寒さはバーレーン代表にとって追い風になる。中東の3月に比べるととても寒いが、日中に飲食ができない彼らにとっては、暑い時期よりは身体への負担は小さい。早めの来日で寒さに慣れることができれば、コンディションへの影響は最小限で済む。

 さらに、指揮官は過去の経験を例に、「聖なる力」が働くと説く。

 遡ること11年。タライッチ監督は当時、サウジアラビアのアル・イテハドを率いていた。2004シーズンのAFCチャンピオンズリーグでチームを決勝進出に導いたが、ホームで行われた城南一和天馬(現・城南FC)との決勝1stレグを1-3で落としてしまう。

 絶体絶命化と思われたアル・イテハドに、「聖なる力」が働く。わずか1週間後に行われた2ndレグで城南を5-0で下し、見事にアジアの頂点に立ったのである。

「この期間はラマダンでした。これで優勝が決まりましたので、ラマダンが聖なる月だということが証明されましたね」

 タライッチ監督は、不敵な笑みを報道陣の前で浮かべた。もちろん状況は異なるが、最終予選のバーレーン代表対日本代表というカードで見れば、バーレーン代表は21年前のアル・イテハドと同じく、ホームで行われた初戦に敗れている。

「去年の予選(前回対戦)でバーレーンは多くを学びました。学びのチャンスを与えてくれてありがとうと言いたい」とは指揮官の言葉。中東での指導経験が豊富な指揮官が、同じ轍を2度踏むとは考えにくい。

 失うものがない者が見せる開き直りに近い自信と捉えることもできるが、バーレーン代表にはその自信の根拠もある。

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