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サッカー日本代表は20日、FIFAワールドカップアジア最終予選でバーレーン代表と対戦する。日本代表はワールドカップ出場に王手をかけた状態でこの一戦に臨むが、バーレーン代表にとっては決して落とせない試合となる。ドラガン・タライッチ監督は前日会見で不敵な笑みを浮かべながら、「私たちに何ができるか、明日見てください」と話している。(取材・文:加藤健一)
「私たちに何ができるかは明日見てください」
3月下旬ともなれば春の訪れを感じさせるはずだが、19日の埼玉スタジアムは積雪も記録するほどの寒さだった。日本の首都圏より寒いはずのイングランドやドイツでプレーする選手たちも少なからず驚いたことだろう。
日本代表戦に向けて、バーレーン代表は日本代表より一足先に日本に到着している。最終予選4試合を残してワールドカップ初出場が十分可能な位置につけているバーレーン代表にとって、この試合は日本代表以上に重要な試合になる。
旧ユーゴスラビア出身のドラガン・タライッチ監督は、日本代表へのリスペクトと日本サッカー協会への感謝の意を示すと同時に、「楽観的にここに来ている」とも口にしている。指揮官がこれまでアジアで積み重ねてきた経験の豊富さを表しているのだろうか。その話しぶりからは余裕と自信も垣間見えた。
「日本代表のことはリスペクトしているが、リスペクトし過ぎないようにして、いろいろモニタリング、分析をしている。素晴らしくて美しいチームですが、私たちに何ができるかは明日見てください」
戦前は日本代表、サウジアラビア代表、オーストラリア代表の3強と見られていたグループCだが、ふたを開けてみると大混戦となった。首位を独走する日本代表が3試合を残してワールドカップ出場に王手をかけるが、2位以下は勝ち点1差にひしめき合い、5チームすべてに本大会ストレートインの可能性が残る。
バーレーン代表は波乱の展開を巻き起こした張本人でもある。
オーストラリア代表にはアウェイで勝利し、ホームでも勝ち点1を得た。サウジアラビア代表にはアウェイで引き分け。格上とのアウェイゲームで強さを発揮している理由については「お教えできません」と煙に巻いた。勝ち点を掴めば本大会出場へ近づく日本代表戦に向けて、何か秘策を用意しているのかもしれない。
バーレーンの国教であるイスラム教は先月末からの約1か月がラマダンとなっており、ムスリムの選手たちは日の出から日没にかけて一切の飲食が許されていない。もちろん、日本代表戦当日も例外ではなく、選手たちは試合開始前の日没までは食事をとることができない。
一見、バーレーン代表にとっては不利な状況にも見えるが、話はそう単純なものでもないらしい。