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コラム 1週間前

ラッシュフォードをアストン・ヴィラが変えた。「努力をしない選手」の烙印から2ヶ月…。イングランド代表復帰の理由【コラム】

シリーズ:コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

マンチェスター・ユナイテッド時代からのタスクの変化

 アモリム体制以降のマンチェスター・ユナイテッドでラッシュフォードは3つのポジションで起用された。[3-4-2-1]の右のシャドーで最も起用され、次点に左のシャドー、ストライカーと続く。

 アモリム監督が志向する戦術において、シャドーの選手に求められる役割は多岐にわたる。特に重要となるのがトランジションでの貢献度で、守備の持続性も欠かせない。この役割に最も適応していたメイソン・マウントはすぐに怪我で離脱し、代わりに出場しているジョシュア・ザークツィーやクリスティアン・エリクセンの起用も完全にハマっているとは言えないだろう。

 ラッシュフォードにとって誤算だったのは、新加入のザークツィーが自身と同じような弱点を抱えていたこと。それが非保持における貢献度の少なさで、この2人を同時起用することは現実的ではなかった。

 一方、アストン・ヴィラ加入後のラッシュフォードに与えられた主なタスクは「左のワイドに張って仕掛ける」と「裏に抜けるアクション」の2点。オリー・ワトキンスが怪我などの理由で不在の場合は最前線でもプレーしたが、その場合もストライカーの役割ではなく、左に流れてプレーしている。

 彼の課題でもある守備の持続性に関しても、アストン・ヴィラは[4-4-2]のミドルブロックで構えることがチームの最優先であり、マンチェスター・ユナイテッドのシャドーに求められる守備戦術よりはシンプル。タスクを整備することで、エメリはあっという間にラッシュフォードのポテンシャルが発揮できる形でチームにフィットさせた。

 ただ、アストン・ヴィラにとって最も重要なのは彼の復活ではなく、チームが強くなるかどうか。現時点ではその原動力になっていると言って良いだろう。

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