復活のキーマンは…
【写真:Getty Images】
ラッシュフォードの復活劇で重要なキーマンとなったのが、アストン・ヴィラのウナイ・エメリ監督である。
2022年11月に降格圏まで3ポイントという状況でアストン・ヴィラの監督に就任したエメリは、残りのシーズンでリーグ3番目に多い勝ち点を獲得し、最終的には欧州カップ戦出場圏内の7位でフィニッシュした。
『The Athletic』によると、この就任初年度の成功を踏まえて、クラブはスペイン人指揮官に復活を懸ける形でオーナー陣に次ぐ権限(現場における最高の意思決定者)を与えたそうだ。
クラブの資産となる10代の若手選手は別だが、即戦力の場合はエメリがオーダーした選手しか獲得しない。今回のラッシュフォードのケースも同様だ。彼は明確な「起用プラン」を持った上で、燻っていたイングランド代表FWの獲得を要請した。
その起用法については、加入直後の2月7日に行われたFAカップ4回戦・トッテナム戦に向けた記者会見で語られている。
「(ラッシュフォードは)左からセカンドストライカーとしてプレーすることもできるし、右からプレーすることもある。ただ、できれば左サイドでプレーしてもらいたい。彼のベストポジションは左で、そこから走ることだ」
エメリは選手の最適解を見出すことを得意としている。直近では、チャンピオンシップでストライカーやウイングバックなど、器用な故に幅広いポジションで起用されていたモーガン・ロジャーズを2列目のライン間でのプレーに集中させたことで彼が持つポテンシャルを引き出した実績もある。
ラッシュフォードもこれまでの前例と同じく、彼が最もプレーしやすいポジション、すなわち左サイドでのプレーに集中させている。その上でマンチェスター・ユナイテッド時代とは異なり、シンプルなタスクしか与えられていない。