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コラム 4日前

ラッシュフォードをアストン・ヴィラが変えた。「努力をしない選手」の烙印から2ヶ月…。イングランド代表復帰の理由【コラム】

シリーズ:コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

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 イングランド代表メンバー26名が現地時間3月14日に発表された。トーマス・トゥヘル体制の初陣ということもあり話題を集めた中で、多くのメディアは「ラッシュフォードの復帰」を大々的に報じた。2ヶ月前までキャリアで最も不遇の時間を過ごしていた男は、なぜ再びスリーライオンズの一員に名を連ねることができたのだろうか。(文:安洋一郎)

ラッシュフォードが1年ぶりにイングランド代表復帰

ラッシュフォード

【写真:Getty Images】

「毎日最大限を尽くさない選手よりもジョルジュ・ビダル(63歳のGKコーチ)を起用するだろう」

 これはマンチェスター・ユナイテッドのルベン・アモリム監督が1月に行われたフラム戦後の記者会見にて、マーカス・ラッシュフォードを起用しない理由について明らかにした際の発言である。

 ポルトガル人指揮官は彼の才能を認めつつ、「誰であっても日々の練習から最大限の努力をしない選手はメンバーに入れない」ということを強調し続けた。その結果、12試合連続でエースナンバーを背負うクラブの象徴にプレー機会を与えなかった。

 自身に原因があったとはいえ、キャリアで最も不遇な時間を過ごしていた27歳のFWはこの酷評から数週間後に大きな決断を下す。幼少期から過ごしたクラブを離れ、買い取りオプション付きのローン移籍という形でアストン・ヴィラに活躍の場を移した。

 その後の復活劇は記憶に新しい。9試合の出場(先発は4試合)で4つのアシストを記録。データサイト『WhoScored.com』によると、ラッシュフォードは2月以降の公式戦で16本のキーパス(シュートに繋がったパスの指標)を記録しており、この期間にイングランド人選手が記録したスタッツの中では最多のものになるそうだ。

 彼のパフォーマンスは、イングランド代表監督に就任したばかりのトーマス・トゥヘルを納得させるには十分なものだった。3月に行われる試合に向けて、1年ぶりにスリーライオンズの一員に名を連ねている。

「63歳のGKコーチを起用する」発言からわずか2ヶ月。なぜ、ラッシュフォードは短期間でパフォーマンスを代表復帰に値するレベルまで上げることができたのだろうか。

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