「いつかポロッとミスすると思って…」
【写真:Getty Images】
京都の前線からのプレスをビルドアップで剥がしにくる清水に対して、川﨑は洞察力を研ぎ澄ませた。
中央でセンターバックの高橋祐治から住吉ジェラニレショーン、そしてボランチのマテウス・ブエノとボールが繋がったが、そこからブエノが高橋に斜めのバックパスを出すところを読んで、パスコースに入り込む。
そこで普通にカットするかと思われたが、ボールの勢いが弱まったところを見計らって、うまく回り込みながら手前の原大智にワンタッチで落とした。
前を向いてボールを受けた原がそのまま勢いよく仕掛けてゴール前にクロスを上げると、ファーサイドからラファエル・エリアスが高さを生かしたヘッドで折り返し、そこにジョアン・ペドロが飛び込んでゴールに押し込んだ。
「ボールが来ると信じていましたし、シュートもしっかり打つことができました」と喜ぶジョアン・ペドロのゴールを導いた川﨑は、ハードワークや気持ちの強さといったところがフォーカスされやすい選手ではあるが、このシーンは集中力に加えて鋭い読みと的確な状況判断が貴重な追加点につながったことは間違いない。
「1点を守り切って終わろうっていう思考は全くなくて、2点目を取りに行く。失点しないというのもそうですけど、2点目を取りに行くっていう考えでの自分とペドロの交代だと思っていたので、本当に狙えるところはどんどん狙っていこうと思っていた。相手が足元に自信があって、(雨あがりの)スリッピーでやりやすいピッチだからこそ、いつかポロッとミスすると思っていたので、それをずっと狙っていた」
そう説明した上で、川﨑はあくまでチームで奪った得点だということを強調した。