「同じような悩みがあったり…」橘田健人との特別な関係
「同じような悩みがあったり、お互いがお互いの悩みを理解できたり、そういうこともあって話す回数が増えたと思います」
山本や大島とコンビを組む。すると隣で圧倒的な技術をまざまざと見せつけられる。タイプが違うんだから気にするな。周囲がそう言ってくるのは気遣いであることも理解しながら、同じ土俵で戦っているのだから気にしないというのも無理がある。
それを自分ごとのように共感できるのが今の河原と橘田だ。
だからリーグ前節の京都サンガF.C.戦で失点に直結するミスをした橘田の気持ちも痛いほどわかる。
「一緒に出ていたので、自分がもっとはっきりボールを受けるポジションを取ってあげればよかった。全てを健人のせいにはできない」
無論、傷の舐め合いをするつもりなどない。
2人のコミュニケーションはそれぞれがさらに成長するために必要とする時間。それは上海申花戦の河原のプレーや、京都戦のミスを乗り越えて激しいプレッシングからのボール奪取で4点目を導いた橘田のプレーを見れば理解できる。
河原にこの試合の自己評価を聞いてみる。
「可もなく不可もなく…って感じですかね」
微妙な間も含め、河原らしい答えだった。まずは守備でボールを奪えそうで奪いきれなかったシーンがいくつかあったことを反省した。攻撃に関しても前述のようにまずは味方を称えた。
自己評価はいつもからい。それは根が真面目であることに加え、理想が高い証。大島や山本の技術を目指し、橘田と切磋琢磨しながら、河原は上を見続ける。
(取材・文:菊地正典)
【関連記事】
出場7試合の悔しさを押し殺し…。新しい川崎フロンターレを丸山祐市が支える。35歳が「生き生きできている証拠」【コラム】
川崎フロンターレはどう変わるのか? 堅守を築いた長谷部茂利新監督の言葉「少しずつ変化が生まれる」「変更も1つの選択肢」
“Jリーグ通”が本気で考えた! 2025年 J1順位予想1〜10位