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「何かおかしいな」河原創は川崎フロンターレで違和感を抱いていた。昨年夏に加入するも、シーズン終盤は出場時間が減少していた。そんな川原に救いの手を差し伸べた人物がいた。今季、河原は開幕から川崎の中盤に欠かせない存在として、輝きを放っている。(取材・文:菊地正典)
著者プロフィール:菊地正典
福島県出身。埼玉大学卒業後、当時、日本最大級だったサッカーモバイルサイトの編集・ライターを経て、フリーランスに。主にサッカー専門新聞『EL GOLAZO』の記者として活動し、横浜FC、浦和レッズ、ジェフユナイテッド市原・千葉、横浜F・マリノス、川崎フロンターレの担当記者を歴任。著書に『浦和レッズ変革の四年 〜サッカー新聞エルゴラッソ浦和番記者が見たミシャレッズの1442日〜』(スクワッド)、『トリコロール新時代』(スクワッド、三栄書房)がある。
王様の横にもう1人の王様
“王様”の横で王様のようにプレーしていた。
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12日に行われたAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE) ラウンド16 第2戦、川崎フロンターレ対上海申花。この試合の大きなトピックは、昨年11月22日の浦和レッズ戦以来、今季初めて大島僚太が公式戦に出場したことだった。
当たり前のことを当たり前に実行するだけではなく、難しいことをいとも簡単にやってのけてしまう大島はさすが“キング”と呼ばれる存在感だった。
そして、その隣で大島と同等、いやそれ以上に輝いていたのは、河原創だった。
鋭いパスを前方にズバズバと通していく。縦パスではよく使われる表現だが、“刺す”という表現がふわさしいパスを連発した。
24分にはワンタッチで右サイドの裏へパスを送った。
浮き球で相手の頭を越えながら、走り込む佐々木の手前でバウンドしてピタリと合う。“刺す”とは真逆の優しいパスでこの試合の先制点、そして2戦合計での逆転への口火を切るゴールを導いた。
大島や一列前でプレーする脇坂泰斗がボールを受けられる適切なポジションを取っていること、上海申花の中央の閉め方がJリーグ勢と比べてルーズだったことがあったと河原は説明する。
それでも上海申花を圧倒するように川崎の攻撃をリードする様は、昨季の終盤とは見違えるほどだった。
シーズンがあと1週間ほどで終わろうとしていた昨年12月上旬、河原は川崎のクラブハウスや練習場がある麻生グラウンドで鬼木達監督と膝を突き合わせていた。