レスター時代の岡崎慎司を彷彿とさせるプレースタイル
ウズベキスタン代表で歴代最多得点を誇るFWは、第2節のエンポリ戦でこそゴールを決めたが、それ以降はベンチを温める日々が続き、出番を失っていた。しかし、昨年末から出場機会を徐々に得ると、第23節のナポリ戦では、スタメンの機会を勝ち取った。
どっしりと構え、得点力に優れるアルテム・ドフビクよりも、運動量が豊富で、前線から積極的にプレスを仕掛けるショムロドフは、ラニエリ監督が、奇跡のプレミア制覇を実現したレスター・シティFC時代に擁した岡崎慎司の姿に重なる。第26節のモンツァ戦でゴールを挙げると、ハイライトはビルバオ戦で訪れた。
71分にドフビクに代わって途中出場すると、ジェライ・アルバレスの2枚目のイエローカードを誘発。そしてアディショナルタイムに巧みな反転から決勝ゴールを決める活躍ぶりだった。
サポーターの呼びかけによって実現した、何万本ものバンディエラ(旗)が揺らめく、唯一無二の景色の中での劇的勝利の立役者となり、ローマ専門メディア、『Il Romanista』の紙面には、ファーストネームのエルドルに文字って、『エル・ドラード(黄金郷)』のタイトルが踊った。クラブにとっては、金を掘り当てた気分だったに違いない。
ローマの復調は、第5節から第13節まで、右足首の骨折で戦列を離れていたアレクシス・サーレマーケルスの復帰も大きく影響した。右サイドで違いを生み出し、復帰後だけで、公式戦6ゴールと3アシストの数字を残している。
しかし、今のローマにとって、必要不可欠な選手は、パウロ・ディバラだ。宝石を意味する“ラ・ホヤ”の異名の通り、この男が輝きを放つことができなければ、ローマの巻き返しはなかったはずだ。それはローマの象徴、フランチェスコ・トッティの言葉を聞けば、明らかだ。
かつてのチームメイト、アントニオ・カッサーノらが進行を務めるYouTubeの番組『Viva el Futbol』にゲスト出演したトッティは、ディバラに賛辞を送っている。