「それが当然」「借りを返すという思いを持つのはいいけど…」
「それが当然だと思うし、もっともっといいチームになれると信じている」
今大会での日本での戦いを終え、残すはサウジアラビアでの最大3試合。痛烈な悔しさを味わった舞台にまた一歩近づいた。
それでも喜田は先を見ていない。過去のACLラウンド16の壁がそうであったように、決勝までの道のりがどれだけ大変だったかを体感しているからだ。
そこはまだ、当たり前のようにたどり着ける舞台ではない。
「そこの舞台に立って借りを返すという思いを持つのはいいけど、最初にそこが来ちゃうほど甘いものじゃない。そこまで行くのにどれだけ大変かが分かっているからこそ、そういうことを軽く言えない」
そして何より、喜田はいつもチームメイトとともに目の前の1試合を大事にしてきた。前回大会もその積み重ねでACL決勝に勝ち進んだ。その気持ちが変わるはずもない。
「目の前の試合が全てだと思っているので、今そこを必死に戦うべきだと思うので、次のガンバ大阪戦に向けて、全員がいい準備して勝ちにいくということが全て」
チームの意識が変わるように種を撒いてきたことを自負してはいる。ただ、あくまでベンチ入りメンバーに戻っただけ。次はピッチで何ができるのか。プレーすることになれば当然、責任も増すことになるが、影響力もより大きくなる。
一足飛びのようにチームが良くなることはない。それでもキャプテンが戻ってきたマリノスは、少しずつでも着実に理想に向かって進んでいくことだろう。もっと、もっと。
(取材・文:菊地正典)
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