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Jリーグ 1週間前

「もっとできたよ」喜田拓也は勝利後に呟いた。横浜F・マリノスは変われる。現状を打破するために起こした行動【コラム】

シリーズ:コラム text by 菊地正典 photo by Getty Images

「それが当然」「借りを返すという思いを持つのはいいけど…」

「それが当然だと思うし、もっともっといいチームになれると信じている」
 

 今大会での日本での戦いを終え、残すはサウジアラビアでの最大3試合。痛烈な悔しさを味わった舞台にまた一歩近づいた。

 それでも喜田は先を見ていない。過去のACLラウンド16の壁がそうであったように、決勝までの道のりがどれだけ大変だったかを体感しているからだ。

 そこはまだ、当たり前のようにたどり着ける舞台ではない。

「そこの舞台に立って借りを返すという思いを持つのはいいけど、最初にそこが来ちゃうほど甘いものじゃない。そこまで行くのにどれだけ大変かが分かっているからこそ、そういうことを軽く言えない」

 そして何より、喜田はいつもチームメイトとともに目の前の1試合を大事にしてきた。前回大会もその積み重ねでACL決勝に勝ち進んだ。その気持ちが変わるはずもない。

「目の前の試合が全てだと思っているので、今そこを必死に戦うべきだと思うので、次のガンバ大阪戦に向けて、全員がいい準備して勝ちにいくということが全て」

 チームの意識が変わるように種を撒いてきたことを自負してはいる。ただ、あくまでベンチ入りメンバーに戻っただけ。次はピッチで何ができるのか。プレーすることになれば当然、責任も増すことになるが、影響力もより大きくなる。

 一足飛びのようにチームが良くなることはない。それでもキャプテンが戻ってきたマリノスは、少しずつでも着実に理想に向かって進んでいくことだろう。もっと、もっと。

(取材・文:菊地正典)

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