攻撃時の約束事。「もう一人の動き」の体現者
「もう一人の動きをすごく大事にしていて、今回は朝日選手がしっかり動いて、自分のスペースを空けてくれた」
植中は「両方とも考えていて。ヤンのところで1対1という状況も相手は難しくなってたと思いますし、自分もあのまま抜け出してシュートを打てる状況でした。A・ロペスがボールを持っていたので、複数の選択肢を与えられるように自分は動きました」と語る。
ただ単に、自分が相手を引き付けるためだけに動いても、ディフェンスは警戒しない。自分がもらって、そのまま決めに行くこともできるマインドが、そうした効果的なデコイ(おとり)に繋がるのだ。
これらのシーンの他にも、高い位置でボールを奪ってショートカウンターにつなげたり、チャンスに繋がる効果的な動きで、植中らしいトップ下の役割を見事に果たした一方で、ストライカーとしてゴールを奪えなかったことは反省材料にあげた。
ただ、72分に天野純との交代でピッチを退く直前に、左サイドを起点として、中央の渡辺皓太のパスからA・ロペスがシュートを放ち、こぼれ球を植中が押し込んだシーンは結果的にA・ロペスのオフサイドでゴールにならなかったが、マリノスらしい崩しだった。
2得点1アシストのA・ロペスを筆頭にマテウス、この日は途中出場だったエウベルと強力な外国人アタッカーを擁するマリノスにあっても、植中の攻守に渡る効果的な動きというのはマリノスの攻撃に、もはや欠かせないものとなっている。
ここからのJリーグ、さらにはACLEの決勝ラウンドで、自分のゴールという結果をどれだけ加えていけるかは植中をさらなる高みに導くための前向きな課題だ。
(取材・文:河治良幸)
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