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“もう一人の動き”の体現者。横浜F・マリノス、植中朝日はあえてボールに触らない? データでは表せない貢献度とは【コラム】

シリーズ:コラム text by 河治良幸 photo by Getty Images

「直接的なアシストではないですけど…」

A・ロペス

【写真:Getty Images】

「自分に直接ボールが来なくても、相手を引きつけるような動きだったと思う。直接的なアシストではないですけど、あの動きがなかったら、もしかしたら相手もまた違う守備の仕方をしてきたかもしれないので、そういったところでも良い動きだったかなと思います」

 その2点目とはまた違った形で、植中のオフの動きが生きたのが、ヤン・マテウスの決めた3点目だった。

 自陣左サイドのビルドアップからボランチのクルードが遠野とのワンツーでスペースに抜け出すと、植中がA・ロペスより前に走って、2人のディフェンスを引き付けた。マリノスが左サイドから組み立てたことにより、上海上港のディフェンスも同サイドにスライドしており、ゴール前の中央は左CBのリー・アンに加えて、左SBのリー・シュアイがカバーする形になっていた。

 植中が相手ディフェンスを引き付ける手前でフリーになっていたA・ロペスがクルードのパスを受ける。縦に間延びしていた上海上港の中盤がプレスバックしてこないうちに、A・ロペスは右サイドのマテウスにラストパスを通し、そこから左足のシュートが決まった。

 出し手のA・ロペスは「ヤンしか見ていなかった」と振り返ったが、その状況でゴールを決めたマテウスは植中への感謝を忘れなかった。

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