「ボランチとしては助かります」「どっちがいいかは、本当に言葉で変わる」
「(昌子)源くんは(指示が)すごく多いわけじゃないけど、的確なタイミングで指示を出すタイプだと思う。(中山)雄太もそう。短くてもどっちを見てほしいか、どっちに行ってほしいかだけでもすごくいい声だと思うので、ボランチとしては助かります」
開幕からフル出場が続いているという事実は、チームに欠かせない存在という証明になるが、それでも前は現状に満足していない。「一番は自分の良さをどう出していくか。自分に余裕がないときもあるので、それはもっとできるようにならないといけない」と課題を挙げる一方で、「“もがいている”ときが、ここに来て良かったなと思える瞬間でもある」とも言う。今の前にとって町田は、試行錯誤しながら己を磨き続けることができる環境になっている。
前節の横浜FC戦に勝利した町田は、ここまで3勝2敗と白星を先行させた。インターナショナルマッチウィークによる中断前最後の相手はアルビレックス新潟。横浜FCとはまた違ったアイデンティティを持つチームとの対戦になるが、大事なのは勝つために、ゴールを取るためにどう戦うかの意思統一になる。
「ボールを持とうというのも、ゴールを取るための手段なので。今年はボールを持ちたいよねというところをやっていますが、そればっかりになりすぎても良くないですし、相手に合わせていかないといけない」
ボール保持の局面でのクオリティを上げようと取り組む中で、ボールを持つこと自体が目的になってはいけない。ゴールを奪うという目的のために、ボールを保持するという手段がある。
「目的のための(最善の)手段をピッチにいる全員で探していかないといけない。状況を見て自分たちがどういうところを狙っていかないといけないかは、試合前の準備から合わせていく必要がある」
文字通り、そのかじ取りはボランチの前の役割になる。「ベクトルがいろんな方向にいかないように注意しないといけないと思います。いまどっちがいいかは、本当に言葉で変わる。ピッチの中にいる人たちが感じて選んでいかないといけない」と話している。
(取材・文:加藤健一)
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J1リーグ第6節 FC町田ゼルビア対アルビレックス新潟
3/15(土) 14時キックオフ 町田GIONスタジアム
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