「染みついているものはある」「僕の今のボランチを作ったのは、中・高が大きい」
北海道の冬は厳しく、長い。必然と冬場はフルコートのピッチでプレーする機会は減るため、人工芝でフットサルの練習をする期間があった。「僕が在籍していたときの指導者は素晴らしい方が多かった。染みついているものはあると思います」と言うように、フットサルが現在のプレーに活かされているのかもしれない。
小学生のときはDFからFWまで様々なポジションを経験したが、中学2年生のころからボランチを本格的にやるようになった。「いろんなポジションをやってきたことも今の自分を作るものの一部」と言う前は、「僕の今のボランチを作ったのは、中・高が大きい」と話す。
「あの時期に上にいった選手を目指すことができたのもいい環境でした」と言うように、一学年上には深井一希や堀米悠斗が、その1つ上には荒野拓馬や奈良竜樹、そして何より兄の前貴之がいた。ボランチとしてのプレースタイルを築き上げたというアカデミー時代に、のちにトップチームに昇格する先輩たちがしのぎを削っていたのを、前は間近で見ることができた。
フットサルを経験し、のちにJリーガーになる先輩たちをお手本に自分自身を磨いていった。水戸ホーリーホックで西村卓朗GMと長谷部茂利監督と出会い、アビスパ福岡でトップリーグとタイトルの味を知った。1つひとつの経験が、前寛之というボランチを築き上げていく。
「何をしたいからではなく、勝つためにどういうサッカーをしていくかが大事。そのやる方向に対して、全員でアプローチできているときの方がいいサッカーができている」と理想を描く。チーム全体のベクトルを揃えるかじ取り役として、前はアルビレックス新潟戦もピッチで躍動する。
(取材・文:加藤健一)
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3/15(土) 14時キックオフ 町田GIONスタジアム
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