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「僕の今のボランチを作ったのは…」。FC町田ゼルビア、前寛之にとって大きかった“あの時期”。「染みついているものはある」

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by 編集部

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 FC町田ゼルビアは15日、ホーム町田GIONスタジアムにアルビレックス新潟を迎える。攻守に高いクオリティを見せる前寛之は、開幕から5試合すべてにフル出場している。瞬く間に町田になくてはならない存在となった前のプレースタイルはいかにして築き上げられたのか。そのルーツを探る。(取材・文:加藤健一)

【単独インタビュー/取材日:3月6日】

「攻守に関われるボランチ」前寛之のルーツ

前寛之
【写真:編集部】

 豊富な運動量でピッチを所狭しと走り、ピンチの芽を摘んだかと思えば、敵陣でチャンスメイクに関わっていく。前寛之は「攻守に関われるボランチでいたい」と理想を掲げ、「守備に強みはあるものの、やっぱり攻撃にも入っていきたい」と攻撃面でもチームに貢献したいという意欲を隠さない。

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「チームの役割もあるので、後ろでバランスをとることも多いですけど、前線に顔を出していくことだったり、スペースで受けたりとかもあるので、そういうシチュエーションやチャンスがあれば行きたいですね」

 この話をしていたのは3月6日で、その2日後の横浜FC戦でさっそくその場面が訪れた。52分、相馬勇紀がルーズボールを収めると、背番号16が猛然と追い越していく。相馬がヒールでスルーパスを出し、前はダイレクトでゴール前に折り返したボールを、フリーだった桑山侃士が押し込んだ。「チャンスがあれば行きたい」と話していた通りの形で、前がFC町田ゼルビアに貴重な先制ゴールをもたらした。

 どんな展開でも特徴を出してチームに貢献できる。能力を示す六角形のチャートがあるとしたら、前の能力は正六角形に近い図形を描くのではないだろうか。本人は「そんなことない」と謙遜するが、アビスパ福岡でも、そして町田でも試合に出続けているという事実が、説得力を持たせている。

 そのプレースタイルのルーツは、小学4年生のときに加入した北海道コンサドーレ札幌のアカデミーにあるという。

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